ジャネット・ニール『天使の一撃』
本日の本
book-25 『天使の一撃』 ジャネット・ニール著 ハヤカワ・ミステリ文庫
STORY:破産寸前の繊維会社の仕入部長がロンドンの裏通りで殺される。当初強盗の仕業とも思われたが、最初の一撃で瀕死となった被害者にさらにとどめの一撃を加えるという残忍な手口に、マクリーシュ警部は故殺を疑う。一方貿易産業省の女性事務官フランチェスカは繊維会社の調査を行っていた。
☆☆☆繊維業界や貿易産業省内部の実体を描く作品で、あまりなじみのない世界だけに興味深い。が、こういった描写に大部を割きすぎのきらいがあり、ミステリ色がやや薄まっている気がする。作者が実際に貿易産業省で企業援助の仕事をしていたとのことで、あれもこれもと詰め込みすぎたのかもしれない。
主人公の一人フランチェスカは、もてもて。会う男性みんなに好かれてしまうといううらやましい(?)人物。仕事面では非常に有能だが、私生活はからきしダメというところがいいのだろうか。このフランチェスカと彼女に一目惚れしたマクリーシュ警部の恋物語がどう発展していくかが第二作以降の楽しみとなりそうだ。
天使の一撃 ジャネット ニール 坂口 玲子 早川書房 1990-08 by G-Tools |
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