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2006/02/15

「オリバー・ツイスト」

本日の映画

movie-14 「オリバー・ツイスト」 Oliver Twist 2005年英仏伊チェコ
DIR:ロマン・ポランスキー
CAST:バーニー・クラーク、ベン・キングスレー、ハリー・イーデン、ジェイミー・フォアマン、エドワード・ハードウィック
STORY:19世紀のイギリス。救貧院に連れてこられた孤児のオリバー・ツイストは夕食のおかわりを求めたばかりに、委員の怒りを買い追い出されてしまう。いったんは葬儀屋にひきとられるが、耐えきれず、ついに70マイル先のロンドンを一人目指すことに。ようやくたどりついたオリバーはスリの少年ドジャーに元締めフェイギンのもとへと連れてこられるが・・・
イギリスの文豪ディケンズ原作の映画化。

☆☆☆オープニングのエッチングがまるで本の挿し絵のようで、ふとそれが映画の場面へと転換していく。なかなか格調高いはじまりである。
実際、立派な文芸作品であり、大変まじめな映画でもある。私は昔々に読んだ原作を細部はほとんど忘れてしまっていたのだが、どうやらかなり忠実な映画化らしい(リーン監督版のもアレック・ギネスの印象しかない)。

セットもすごい。19世紀のロンドンの街並・・・それも、ぬかるんだ道、走り回るねずみ、貧しい家々といった貧民街を完璧に再現したセット(チェコとか?)は見事で、すーっと映画の世界に入っていける。もっとも、ブラウンロー氏を演じたのが、ホームズシリーズのワトソン君ことE・ハードウィックだったので、一瞬ホームズの世界にまぎれこんだ気もしたのだが・・・

主役のバーニー・クラーク少年はまさに、オリバーにぴったり。悲しそうな目が印象的だ。
フェイギン役のB・キングスレーもいつものとおりのばけっぷりで、悪人なのだが、どこか憎めない感じをうまく演じている(フェイギンの性格づけがはっきりしていないのだが、多分これは狙いなのでは?と私は解釈した)。

最後、再び映画の場面が、エッチングの絵へと変わっていき、映画が終わるのだが、ちょうど分厚い本を1冊読んだような気持ちになったのだった。

「戦場のピアニスト」、そして、「オリバー・ツイスト」とポランスキー監督もかつての映画からは考えられないきまじめな映画を撮るようになり、実をいうと、ポランスキーの映画なので何か仕掛けがあるかも、とも思っていたのだが、そういうこともなく映画は終了。寂しいような、これでいいような(なにしろディケンズだし)、ちょっと複雑な心境であったことも確かだ。

オリバー・ツイスト〈上〉

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コメント

nocciさん、こんばんは。
私は「戦場のピアニスト」を見て、映画館で人目もはばからず号泣した一人です。そして、ベン・キングスレーの大ファンでもあります。この監督の名前とベン・キングスレーが出てくるというだけで、かなり興味そそられます。それに加え『ちょうど分厚い本を1冊読んだような気持ちになった』なんて、感想を見てしまったら、もう見たくてたまらなくなってしまいました。

こんばんは、ムムさん。
「戦場のピアニスト」よかったですよね。私も泣きました。「オリバー・ツイスト」は、「戦場の・・・」ほど泣きませんでしたが(ちょっとだけ涙が・・・)、よかったです。それに、19世紀ロンドンのセットが素晴らしくて、これだけでも見る価値あります。
ベン・キングスレー、言われないとわからない扮装です。
「ガンジー」や「シンドラーのリスト」といった映画もいいですけど、ちょっと軽めの「スニーカーズ」なんかもいいですね。

コメントありがとうございました。
この作品は、オリバーに感情移入できるかで大きく変わりますよね。なかなか感情移入しずらかったですが、とても考えさせられる作品でした。

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» オリバー・ツイスト [シアフレ.blog]
エンターテイメントとして観ると期待はずれになると思います。 様々な苦難や過酷な状況に遭いながらも、決して純粋な心を失うことなくまっすぐに生きていくオリバーの姿に胸を打たれました。 賛否両論分かれそうな作品ですが、とても多くの事を考えさせられる作品です。... [続きを読む]

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