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2006/02/11

「ミスティック・リバー」

本日の映画
ミスティック・リバー
movie-12 「ミスティック・リバー」 Mystic River 2003年米

DIR:クリント・イーストウッド
CAST:ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケヴィン・ベーコン、ローレンス・フィッシュバーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ローラ・リニー、エミー・ロッサム、イーライ・ウォーラック
STORY:ジミー、ショーン、デイブが一緒に遊んでいたある日、警官を装った男達にデイブが車で連れ去られてしまう。数日後デイブは無事保護されるが、彼がどんな目にあったかはあえてみな口にすることはなかった。
25年後、ジミーの娘が死体で発見され、刑事となっていたショーンが担当となる。やがて、捜査線上にジミーが浮かんでくる・・・

☆☆☆☆ずっと見るのを避けていた映画だった。救いのない暗い映画だ、という評判だったからだ。
しかし、評価も高いこの映画、いつかは見なければという使命感?でとうとう見ることに。

見終わって、確かに、暗く重い映画だった。決して見終わった爽快な気分になる映画ではない。が、非常に重厚で見ごたえのある映画である。

俳優達の演技も重厚だ。娘の死を正面から受けきれずに罪を犯してしまうジミーを演じたショーン・ペン、子どもの頃にうけた傷がトラウマとなり、嘘に嘘を重ね、結果的に自分をますます不幸に陥れてしまうデイブを演じたティム・ロビンス、夫が信じられず怯えるデイブの妻を演じたマーシャ・ゲイ・ハーデン、打算で生きるちょっとずるがしこさのあるジミーの妻を演じたローラ・リニー、みな素晴らしく、演技を見るのについついこちらも力が入ってしまう。登場人物の心の痛みが突き刺さりそうだ。

ペン、ロビンス、ようやくオスカーを獲得できてホントよかったと思う。監督C・イーストウッドもすごい映画を撮る監督になったものだ。

ミステリー的に言うと、最後の方で真犯人が判明する下りはあまり盛り上がりがないのだが、どちらかというと人間ドラマとして見るべきなのだろう。

もし、デイブの替わりにジミーかショーンが車が乗っていたら・・・と、登場人物も言うのだが、3人の運命はまったく違ったものになっていたのだから、人の運命などわからない、ということをしみじみと考えさせられる。


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コメント

そうなんですよね~。
もしもあの時、彼じゃなく他の子が・・・「もしも」「たら」「れば」などと考えると、これは運命なのかってなんだか複雑ですね。
そのためか観賞後に残るモヤモヤ感。
先日観た『ミュンヘン』もその感じが残るんです。
白黒はっきりさせないっていうのも監督の狙いになっているのでしょうね。

TB&コメントありがとうございます。
運命の残酷さを思うと、なんだかすっきりしないですね。
「ミュンヘン」を見た友人が、ビミョーと感想を言ってましたが、なるほど同じようなモヤモヤ感が残るわけですね。見るのに覚悟が入りそうだなあ。

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ミスティック・リバー つくづく人間には「運の良い人・不運な人」があるものだと、この作品を観て実感した。 その上で考えるならば、デイブという人間は本当に可愛そうな宿命を背負っていたのだと・・・。 <レビューをUPする為に最小限度のネタバレをお許し下さいませ> まだ乾いていない路上のセメントに、自分の名前を書いて遊んでいた11才の少年デイブ(ティム・ロビンス)、ショーン(ケビン・ベーコン)、ジミー(ショーン・ペン)の3人は、警官の服装をした男2人組に忠告される。 車に乗るように言わ... [続きを読む]

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