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2006/06/19

スー・グラフトン『縛り首のN』

本日の本
縛り首のN
book-27 『縛り首のN』 スー・グラフトン著 ハヤカワ・ミステリ文庫

STORY:心臓発作のため車の中で死亡した刑事のトム。生前何かに悩んでいたと主張する未亡人の依頼でキンジーは調査をはじめるが、何者かの襲撃を受け怪我を負ってしまう。

☆☆☆女性探偵キンジー・ミルホーンシリーズ第14弾。

今回のキンジーは、恋人のような、そうでないようなディーツをネバダに送り届けた帰り、ノタ・レイクという小さな街で、未亡人の依頼を受け調査をはじめる。一瞬、キンジーの住まいがあるサンタ・テレサに戻るものの、ほとんどの舞台はこのノタ・レイクという街。
というわけで、レギュラー陣の、セクシーな大家・80を越えているヘンリーや、行きつけの食堂の女主人ロージー、キンジーが事務所を置かせてもらっている法律事務所のボス・ロニー他、いつもの面々の登場場面がほとんどないのが残念。これだけ長いシリーズになると脇の登場人物の動向も気になるものだ。

暖かい街カリフォルニアのサンタ・テレサ(架空の街)を離れ、寒い場所での調査のためか、いつも元気をもらっているレギュラー陣がいないせいか、キンジーの気分も落ち込みがち。閉鎖的、保守的な小さな街では、誰もが口を閉ざそうとし、なかなか調査もはかどらず、弱音を吐いたりするキンジーだが、今回もねばり強い追跡で真相に迫る。
真実が暴かれたことが、果たしてよかったのかどうか、苦さの残る結末。

次作では再びサンタ・テレサに戻り、いつものキンジーが見られるだろうか。

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