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2006/06/06

スー・グラフトン『悪意のM』

本日の本
悪意のM
book-23 『悪意のM』 スー・グラフトン著 ハヤカワ・ミステリ文庫

STORY:建設会社社長が亡くなり、4人の息子達が巨額の遺産を相続することになった。18年前に家を飛び出した次男ガイの捜索を請け負うわたし(キンジー)。すぐにガイは見つかったが久々に家に戻った彼は殺されてしまう。

☆☆☆アメリカ・カリフォルニアの女探偵キンジー・ミルホーンシリーズ第13弾。Aから順に進むキンジーのシリーズ、12作目まで読んで中断していたが、久々に再開。
すっかり忘れてしまっているかなあと思ったが、人物関係もわりにすっきりしているし、すぐに思い出せた。このシリーズが出始めた頃、女流探偵ものが大流行していて、キンジーか、サラ・パレツキーのヴィク・ウォーショースキーシリーズかがその筆頭格だった。ヴィクのファンの方が多かったような気がするが、ワタクシはキンジーのファン。そのさっぱりした性格が好きだった。

この作品ではキンジーは、ガイに対して好感をもったり、昔の恋人の出現に動揺したり、とかなり感情的な面を出す。そのあたりが読みどころ。
謎解き自体はまあそれほど傑出したものではないけれど、じわじわと悲劇的な結末が浮かび上がってくるところはよい。若い頃は問題児だったが、今はすっかり改心しまじめな人間にかわっていたガイがなぜ殺されなければならなかったか?真相がわかった時、運命の残酷さをキンジーのみならず読み手も思い知らされることになる。

今現在、アメリカではSまで出版されているようだが、Zまで出るのはいつのことだろうか。

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