スー・グラフトン『アウトローのO』
本日の本
book-29 『アウトローのO』 スー・グラフトン著 ハヤカワ・ミステリ文庫
STORY:期限切れの倉庫の残留品を買い取らないか?それらは、14年前最初の夫ミッキーのもとに残してきたものだった。ミッキーの行方を探すキンジー。やがて探し当てたミッキーは昏睡状態だった。キンジーは離婚当時、彼が関わっていた事件について調査を始める。
☆☆☆女性探偵キンジー・ミルホーンシリーズ第15弾。
前作ではキンジーの住むサンタ・テレサが舞台でなかったので、サブキャラがほとんど登場しなかったのが少々不満だったのだが、今作では再びサンタ・テレサへと戻ったキンジー。しかし、あちこち調査にまわるし、案外いつものメンバーが登場しない。
そのかわりといってはなんだが、なんと、ずっとキンジーが語りたくないと口を閉ざしていた、最初の夫ミッキーが登場するのだ。とはいえ、登場した時には撃たれて昏睡状態という設定で、キンジーが離婚にいたったいきさつ、その当時何があったのかは、キンジーのいつも通りの丁寧な調査により次第に浮かび上がってくる。調査が進むにつれ、キンジーの誤解、気持ちの行き違いが、ミッキーの人生の転落の一原因となっていたことがわかってきて、苦い結末となっている。
犯人自体は、わりに早い段階で目星がついてしまうが、そういった、キンジーの心の動きが読みどころといえよう。
※次回更新は7月8日の予定です。
« 「最終絶叫計画」 | トップページ | 北海道みやげ »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- エラリー・クイーン『Zの悲劇』 (2025.01.11)
- 乙一『ZOO 1』 (2024.12.07)
- クリスチアナ・ブランド『自宅にて急逝』 (2024.11.30)
- アレックス・マイクリーディーズ『ザ・メイデンズ ギリシャ悲劇の殺人』 (2024.10.27)
- ロバート・B・パーカー『ゴッドウルフの行方』 (2024.10.01)
« 「最終絶叫計画」 | トップページ | 北海道みやげ »
コメント