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2006年8月

2006/08/31

スー・グラフトン『獲物のQ』

本日の本

book-36 『獲物のQ』 スー・グラフトン著 ハヤカワ・ミステリ文庫

STORY:昔なじみの警部補ドーランから先輩刑事ステーシーが解決できなかった18年前の殺人事件を一緒に調査してほしいと頼まれたカリフォルニアの女性私立探偵キンジー。ドーランとステーシーとともに古い事件を掘り起こすべく調査を開始するが・・・

☆☆☆キンジー・ミルホーンシリーズ第17弾。

今回はなんと、1作目『アリバイのA』から登場していたドーラン警部補が依頼人。すっかり年をとり、妻を亡くし、自身も心臓を悪くしてセミリタイア状態という設定。そんなドーランが、先輩にあたるステーシーの未解決事件を調査しようとキンジーに依頼する。ステーシーもまた癌で余命いくばくもないと宣告されていて、キンジーは「年寄り」2人をおもりしつつ、古い事件へと首を突っ込んでいく。

この2人が両方とも頑固。ドーランは心臓に悪いと知りつつタバコはスパスパ吸うし、お酒もがんがん飲む。ステーシーも医者の言うことなど聞かず、好きなことをしようとするという具合。ステーシーはキンジーにファーストフードを伝授?され、体に悪いと知りつつ、ガンガン食べてしまう。
そんな2人をハラハラしながら見守るキンジー。彼女もかなりの頑固者だけど、この2人にはかなわない(笑)。3人のかけあいが漫才みたいで笑いを誘う。最後の方になると、2人は出番が少なくなりキンジーがでずっぱりになってしまうのが残念なほどだ。

古い事件を掘り起こすというストーリーなので、困難を極めながら少しずつ真相に近づく姿はなかなかにおもしろいが、犯人はあまり捻りはなかった。実在のジェーン・ドゥ事件(いまだ被害者が誰だかもわかっていない事件らしい。身元不明の女性の場合ジェーン・ドゥと名付ける)をヒントに書かれた話とのことだが、未解決の事件は、アメリカでは確かに多そうだ。

前作から版元が変わり、ラストに「以上、報告します」と書くスタイルが消えてしまっていたのだが今回復活。やっぱり締めの文句はこうじゃなきゃね。

4150763674獲物のQ
スー グラフトン Sue Grafton 嵯峨 静江
早川書房 2006-01

by G-Tools

2006/08/30

「コンスタンティン」

本日の映画
コンスタンティン
movie-70 「コンスタンティン」 Constantine 2005年米

DIR:フランシス・ローレンス
CAST:キアヌ・リーヴス、レイチェル・ワイズ、シア・ラブーフ、ジャイモン・フンスー、ティルダ・スウィントン、ピーター・ストーメア
STORY:コンスタンティンは特殊能力の持ち主。今日もまた彼は悪魔の手先を地獄へと送り返すべく戦い続けていた。一方ロス市警の女性刑事アンジェラは双子の妹イザベルの飛び降り自殺を不審に思い、独自の調査をしていたが、コンスタンティンとともにその謎を解くべく行動を共にする。

☆☆うーん、だめだった、この映画。最後まで乗り切れずに終わってしまった・・・

冒頭の悪魔祓いの場面は「エクソシスト」のようであり、悪魔との戦いということで「エンド・オブ・デイズ」のようであり、異型を見分けることができる特殊な能力を持った主人公ということで、最近見たロシア映画の「ナイト・ウォッチ」のようであり・・・
と、どこかで見た感じというのがよくないのだろうか。いや、それだけではない。テンポがないのである。

天国と地獄、天使と悪魔、といった題材は、キリスト教に縁がないと若干わかりにくいところがあるものだが、この映画もしかり。ちゃんと知識のある人たちにとってはすんなり受け入れられる映画なのだろうか。ワタクシもまったく知識がないというわけではないのだが、ちょっとついていきがたかった。

ワタクシはK・リーヴスのファンでは全然なく、どちらかというとR・ワイズを見ようと思って借りたのだが、両人ともごく普通。「オルランド」的雰囲気のT・スウィントンが不思議な雰囲気を出しているが(「ナルニア国物語」もよさそうだ)、なんといっても場をさらったのはサタン(ルシファー)役のP・ストーメア。ほんの少しの出番だったが、異様な雰囲気で圧倒される。

2006/08/29

「スーパーサイズ・ミー」

本日の映画
スーパーサイズ・ミー 通常版
movie-69 「スーパーサイズ・ミー」 Super Size Me 2004年米

DIR:モーガン・スパロック
CAST:モーガン・スパロック

☆☆☆☆☆ドキュメンタリー映画は普段ほとんど見ないのだが、これはおもしろかった。

スパロック監督自身が、10代少女が肥満の原因がマクドナルドにあると訴えを起こしたというニュースにヒントをえて、自ら30日間マクドナルドの食べ物だけで過ごそうという実験を試みたドキュメンタリーである。
1日3食必ずマックのものを食べ、30日間のうちにひとおおりのメニューは制覇すること、そしてスーパーサイズをすすめられたら決して断らない、3食残さず全部食べる・・・というすさまじいルールだ。

アメリカのマックではスーパーサイズというものがあったのは記憶になかった。確かに昔アメリカに行った時、なんだかバケツサイズのコーラを飲んでる人や、トレー一杯のポテトを食べてる人がたくさんいるなあと見ていたのだが、あれがスーパーサイズなんですね。あれがアメリカのLサイズなんだと思っていたけれど、さらに上のサイズがあったとは・・・少食なワタクシはもちろん、フツーの日本人ならあのスーパーサイズは結構キツイと思う。そんな大きなサイズを驚いたことにアメリカの多くの人は頼む、というかスーパーサイズはいかが?と言われると断らない人が多いらしい。

しかも、ファーストフード好き、ジャンクフード好きが多いらしく、これじゃあ確かに肥満や、肥満を原因として病気に悩む人も多いハズだ。日本でも昔に比べたら、ジャンキーな食べ物は確実に増えていて、だんだん似た状況になってきているのかもしれない。

ワタクシ自身はファーストフード店にはめったに入ることはないが(特にマックはね。多分5年以上食べたことないと思う。ハンバーガー食べるんだったら別のお店の方がいいので)、たまには食べたいと思うことはあるし、仕事の途中やむなく入ることもある。それに、昔は食べなかったカップ麺なんぞも食べるようになっているし、ジャンキーなもの、まったく食べてません、とはいえない。
まあ度をこさなければいいと思うし、たまには毒をいれることも必要と(勝手に)思っているのであまり気にはしていないし、絶対にいけませんなどと言う気はさらさらないけれど、ジャンクフードを食べ続けると、なしではいられないくなる一種の依存状態になると聞くとちょっと恐い。

驚いたのは、アメリカの学校の給食がジャンクフードだらけということ。きれやすい問題児ばかりかかえていた学校でジャンクフードの給食をやめたら、問題が少なくなったという報告もあったが、子供の頃からジャンクフードを食べる習慣ができてしまうというのはどうなのだろうか。給食業者、助成金などなかなか根の深い問題である。

スパロック監督は、30日でうんと体重が増え、気分が悪くなり、心臓が痛み、脂肪肝になりかけ・・・と行った具合に病気になりかかる。これだけ体を張った実験、すごい。

この映画が公開された直後、マックはスーパーサイズを廃止し、それはこの映画とは何ら関係がないと発表したそうだが、怪しいなあ。

2006/08/28

スー・グラフトン『危険のP』

本日の本
危険のP
book-35 『危険のP』 スー・グラフトン著 ハヤカワ・ミステリ文庫

STORY:老医師パーセルが失踪。キンジーは医師の前妻の依頼で行方を調査するが、2度の結婚での人間関係の複雑さ、そして勤務先の老人ホームの詐欺疑惑などもあり調査は困難を極める。やがてキンジーがたどりついたのは・・・

☆☆☆☆カリフォルニアの女性探偵キンジー・ミルホーンシリーズ第16弾。
本作から出版元がかわったらしい。ということで、「以上、報告します」とラストに書かれるスタイルでなくなってしまって、ちょっと不思議な感じである。すっかり慣れてしまっていたから。

しかし、版元がかわったことが悪い方向に影響したわけでなく、むしろよい方向に影響したと思う。心機一転したのか?キンジーがパワフルに、そしていきいきと描かれているのだ。

キンジーは時々無茶もするが、もともと堅実に捜査をするタイプの私立探偵で、前半は一つ一つ丁寧に捜査していく姿がじっくり描かれ、後半、糸口が見え始めてからは一気に真相へと向かうので盛り上がりを見せる。途中目くらましもいろいろあって、推理のおもしろさもある。

また今回は新しい事務所をめぐって、キンジーに危険なロマンスも芽生え、その結末も気になって一気に読んでしまった。

2006/08/27

吉祥寺:シャポー・ルージュ

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昨日は友人と、昔からある吉祥寺の洋食屋さん「シャポー・ルージュ」にて昼食。昔、バンビと言っていたお店で、ここ、何時行っても混んでいる。昨日も何組から待っていてやっぱり待つことになった。
しばらく待って通されたのは3階。2階までと思ったいたが、3階まであったんですね。そこかしこに織田廣喜画伯のパリの絵が飾られていてちょっと洒落た感じのお店だ。

今日はロールキャベツを注文。セットで、スープ、サラダ、パン(又はライス)、ババロアまたは紅茶またはコーヒーつき。多くの人はここでババロアを頼むのだろうけど、前日の夜中にプリンを食べてしまったので、今日はパスして紅茶をオーダー。
ロールキャベツは2個もあったが、トマトソースの酸味で軽く食べることができる。ビーフストロガノフ、オムライス、ビーフシチューなどもおいしそうだ。

吉祥寺で昔ながらの洋食を食べたい、と思ったらここはおすすめ。

シャポー・ルージュ:武蔵野市吉祥寺本町2-13-1
シャポー・ルージュ

2006/08/26

ポルトガルのワイン

ポルトガルより帰国して2週間。
ポルトガル風の食事にしてみようと、おみやげをあけたり、タコ料理を作ったり。もちろん!お酒はポルトガルのワインである。

本日いただいたワインは、
ヴィーニョ・ヴェルデ。
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訳すと緑のワイン。というとおり、若いワインで微発砲。同居人が酒屋で買ってきたことのワインは、コインブラで飲んだのと同じだった。輸送に向かないワインということで、日本にはあまり多く入ってきてはいないが、さっぱりとしていて夏にはいいワインである。シーフードにぴったり。ポルトガルでこのワインにすっかりはまってしまった。

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そして食後はポルトワイン。サンデマンのものである。マントというかコートを羽織って帽子をかぶった男がトレードマークで、ポルトでは一番このメーカーの看板が目立った。この会社は、ポルトガルではポルトワイン、スペインではシェリー酒を作っているとのこと。このマークは、帽子がスペイン風、コートがポルトガル風なんだそうである。
ポルトワインでワタクシの一番の好みは、よーく熟成されたタウニーだが、今日のはルビー。これでも結構しっかり味で、樽の香りもずいぶんと移っている。

概して、ポルトガルはワインは安くて、どれもおいしかった(ハウスワインでも)。日本ではまだあまり輸入されていないのが残念である。

赤べこリラックマ

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福島みやげにもらった、「福島限定リラックマ~赤べこでだららん~」。
ご当地ものというと、キティちゃんや加トちゃんくらいかと思っていたのだが、最近はいろいろある模様。リラックマもあるんですね。
こういうのを見ると、集めたくなってしまうけれど、増えても飾るところがないからやめよう。。。いや、職場に飾ろうか?
(今現在、ワタクシの机の前にはお茶犬がたくさんぶらさがっています。)

2006/08/24

「私は「うつ依存症」の女」

本日の映画
私は「うつ依存症」の女
movie-68 「私は「うつ依存症」の女」 Prozac Nation 2001年米独

DIR:エーリク・ショルビャルグ
CAST:クリスティーナ・リッチ、ジェシカ・ラング、アン・ヘッシュ、ミシェル・ウィリアムズ、ジェイソン・ビッグス、ジョナサン・リス・マイヤーズ、ルー・リード
STORY:リジーは晴れて名門ハーバード大学に入学。ライターとして将来を嘱望されている彼女だったが、教育熱心な母、音信不通だった父との関係から、以前から悩まされていたうつ症状が悪化、次第に情緒不安定になっていく。

☆☆☆エリザベス・ワーツェルの自伝的小説の映画化。

主人公リズは、ハーバードに合格、ローリングストーン誌に原稿を書くなど、順調な学生生活を送るかと思いきや、以前から症状のあったうつがひどくなっていく。酒、ドラッグ、男性関係と次第に生活が乱れていき、次第に情緒不安定に。そして、彼女の症状が、子供の頃父が家を出ていったことで、母が一人っ子だった彼女に過度な期待をかけたことが遠因だったことがわかってくる。リズは母の期待になんとかこたえようとするあまり、耐えきれなくなってしまうのだ。

結局、あるがままの自分を受け入れようと覚悟を決め、母の呪縛から次第に解放されていくことで、うつの状態から脱したかに見えるラストだが、その後はどうなったのだろうか。完全なハッピーエンドには見えないので気になるところだ。

とても重いテーマの映画であり、C・リッチの熱演と、母役のJ・ラングの鬼気迫る演技で緊迫感のある映画となった。決して楽しいという映画ではないけれど、人の心の闇というものを考えさせられる。何が原因で心を病んでしまうかわからない。誰にでも可能性はあるだけに恐いが、希望はあるものだ、ということが作者としてはいいたかったのだろう。

C・リッチは子役の頃も不思議な感じだったが、独特の暗さがあってメジャーな作品より、こういったユニークな作品がむくようだ。心から笑っている彼女も見てみたいものだけど。
J・ラングは次第に目がつり上がってきた気がして、恐い役が似合うようになってきた。
そして、なぜか?ヒース・レジャーとくっついてしまったM・ウィリアムズ、「マッチポイント」のマイヤーズなど、これからが楽しみな若手も出演。出演者の顔ぶれは楽しめた。


2006/08/23

「メメント」

本日の映画
メメント
movie-67 「メメント」 Memento 2000年米

DIR:クリストファー・ノーラン
CAST:ガイ・ピアース、キャリー・アン・モス、ジョー・パントリアーノ、ジョージャ・フォックス
STORY:ロスの保険調査員レナードの自宅に何者かが侵入、妻が襲われ殺害されてしまう。犯人に殴られ前向性健忘となって記憶が10分ほどしか持たなくなってしまったレナードは、ポラロイド写真にメモを書き、情報を自分の体に入れ墨で彫り込みながら、手がかりを追う。

☆☆☆斬新な映画だ。

おおまかなあらすじは聞いていたけれど、しっかりと最初から最後まで見ていないと筋が一瞬わからなくなってしまう。ワタクシもちょっと目をそらしていたら、??わからなくなってしまい、前に戻って見直さなければならなかった。一瞬たりとも目を離さず見ていたとしても、若干の疑問は残る映画だろう。

時間を逆回転・・・というか、10分くらいずつのパーツに分けて、それを時間軸の逆方向から見せる(つまり終わりから始まりへと逆行する)という構成なので、難解な映画のように思えるが、終わってみるとああなるほどと思えるのだ(わからない点もあるが)。これを、時間の流れ通り見せたら、フツーのサスペンスに終わるところだが、アイディアの勝利と言えよう。
結末的にはまああまりすっきりするとタイプの映画ではないけれど、ユニークな映画として見て損はないと思う。

ノーラン監督は、「バットマン・ビギンズ」はまだ見ていないけれど、好きなタイプの監督になっていきそうな予感。今後が楽しみだ。


2006/08/22

「TAXi3」

本日の映画
TAXi3 DTSスペシャルエディション
movie-66 「TAXi3」 2003年仏

DIR:ジェラール・クラヴジック
CAST:サミー・ナセリ、フレデリック・ディフェンタール、ベルナール・ファルシー、バイ・リン、マリオン・コティヤール、エマ・シェーベルイ、シルベスター・スタローン
STORY:スピード狂のタクシー運転手ダニエルは車のことしか頭になく、あいそを尽かした恋人リリーは実家へ帰ってしまった。一方ドジな刑事エミリアンは8ヶ月もの間銀行強盗団に悩まされっぱなしで、同業の恋人ペトラの変化に気づかない。久々に再会した2人は強盗団のアジトと思われる場所に潜入するが・・・

☆☆☆リュック・ベッソン製作脚本のアクションコメディ第3弾。

冒頭から、S・スタローンのゲスト出演でうれしくなってしまう。へー、この映画に出てたとは全然知らなかった。なんのために出たの?という気もしなくはないが・・・単なるにぎやかし?

オープニングタイトルからして、007のパロディで笑ってしまうが、全体に1作目、2作目よりコメディの色合いが濃い映画となっている。カーアクションを目当てに見ると、前2作に比べるとがっかりするかもしれない。

しかも、主役ダニエルの出番は減って、エミリアンと署長の出番が増えており、署長役F・ディフェンタールは特に前2作でもかなり泥臭い笑いを振りまいていたので、スマートな笑いとはいかず、少々苦笑いする場面も。
それでも、90分足らずという短さでテンポよく見られるし、軽く笑いたいという方にはよろしいかと。

まあでも、このシリーズもフランスではおしまいでしょうかね?

2006/08/21

早実優勝号外

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我が地元、早実優勝!

仕事帰りに国分寺に降り立ったところで、号外をもらってしまった。

ワタクシ、特に高校野球ファンというわけではないのだけど、地元となれば多少の興味は持つわけで。それに、優勝したらなんかセールでもやらないかなあと思ったのだった。昨日生協に買い物に行ったら、早実決勝進出、というだけでもポイント5倍でしたからね。

決勝戦の再試合、今日は仕事中だったので見ることはできなかったけれど、昨日に引き続きいい試合だったようで。

当分は、国分寺もにぎやかなことだろう。

2006/08/20

「ファイヤーウォール」

本日の映画
ファイヤーウォール 特別版
movie-65 「ファイヤーウォール」 Firewall 2006年米

DIR:リチャード・ロンクレイン
CAST:ハリソン・フォード、ポール・ベタニー、ヴァージニア・マドセン、メアリー・リン・ライスカブ、ロバート・パトリック、ロバート・フォスター

STORY:コンピューターセキュリティの専門家ジャック。勤務先の銀行で鉄壁のシステムを作り上げた彼だが、ビル・コックス率いる強盗団に家族を人質にとられ、1億ドルを自分たちの口座に移すよう脅されて・・・

☆☆☆ミラノ行きの飛行機で見た映画第2弾。
ワタクシはH・フォードの大ファン。とうか大ファンだったという方が正しいだろうか。ハン・ソロ、インディー・ジョーンズ、その他必ずといっていいほど映画館に見に行ったものだった。それも「6デイズ/7ナイツ」で終わり。その後「ホワット・ライズ・ビニース」を見てああ年取ったなあと思ったものだったが、この映画もしかり。すでに64歳、この映画ではかなりキビシイものがある。
アクション場面も結構あるが、見ていてちょっとつらい。息がきれてるもんなあ。
もともと演技派というわけじゃないから(表情は結構ワンパターン)、こうなってくると今後は難しい気がする。インディー・ジョーンズの新作が製作されるとかしないとか。年とってもアクションバリバリのC・イーストウッドとか故C・ブロンソンとかを是非見習ってほしいものである。

H・フォードより存在感があったのは犯人役、P・ベタニー。「ダヴィンチ・コード」といい、この映画といい、ちょっと恐いというか気味の悪い役がぴったり。今後注目だ。

V・マドセンは「サイドウェイ」での復活で起用されたのだろうが、まだ「サイドウェイ」を見ていないのでワタクシの中では「砂の惑星」などという昔の映画のままでとまっていて不思議な感じだ。が、この映画ではフツーの役どころで、マドセンでなくてはという役ではないから、今後また沈んでしまわないか心配だ。

ストーリーとしてはそれほど新味があるわけではなかったので、それだけに出演者の演技にこちらの目がいってしまい、H・フォードにちょっとがっかり、という映画になってしまった。

2006/08/19

「ピンクパンサー」

本日の映画
ピンクパンサー コレクターズ・エディション
movie-64「ピンクパンサー」 The Pink Panther 2006年米

DIR:ショーン・レヴィ
CAST:スティーヴ・マーティン、ケヴィン・クライン、ジャン・レノ、ビヨンセ・ノウルズ、エミリー・モーティマー、クライヴ・オーウェン、ジェイソン・ステイサム

STORY:サッカーフランス代表チームが中国に勝った直後、サッカー場で監督グレアンが殺される。大混乱に陥る中、彼が身につけていたダイヤ・ピンクパンサーが消えてしまう。ドレフュス警視は、ダメな警官クルーゾーを捜査に大抜擢。実は、世間の注目をクルーゾーに集中させて自分が裏で手柄をたてようとしていたのだ。

☆☆☆ミラノ行きの飛行機で見た映画第1弾。

懐かしや、ピンクパンサーシリーズのリメイク。昔のシリーズは、クルーゾー演じるピーター・セラーズのアクの強さがちょっと苦手で、まあおもしろいけど大好きな映画ではなかった。

新クルーゾーのスティーヴ・マーティンはどうかというと、かなりP・セラーズを意識したと思われるものの、完璧にS・マーティン映画になっていて、まあいつものマーティン映画と同じであった。しかし、彼以外、誰がクルーゾーをやれるかと考えると他には思いつかないから、適役なのかも。あいかわらず泥臭い笑いである。

クルーゾーよりおかしいのは、K・クライン演じるドレフュスで、これが昔のシリーズのハーバート・ロム。K・クラインはまじめな役を演じてもうまいけれど、徹底的に笑いを追及した役もうまく、さらにイヤミなキャラはお得意。なので、この役はぴったりだった。
ジャン・レノもとぼけた役でおもしろいし、ジェームズ・ボンド(風)の役で登場したキザなC・オーウェンにも笑った。

というわけで、おなかの底から笑えるかというと、この映画、ちょっと間延びしているところもあって微妙なのだけれど、脇に大いに笑った映画だった。

オープニングのアニメとヘンリー・マンシーニのテーマ曲は大好きだ。

2006/08/18

ポルトガル旅行7、8日目

ポルトガル旅行7、8日目

あっという間にもう帰国日である。乗り継ぎが悪く、最終日がまったく使えないのが悲しい。

9時20分の飛行機なので7時にはホテルを出発しなければならない。ということで6時起きである。テレビをつけると、イギリスでテロ未遂があったとか、ヒースローが大混雑している映像が繰り返し流れていた。その時はふーんという感じ(単に眠かったからか?)。

出発が早いため朝食はホテルで食べることができず、紙袋に入った朝食をもらい、タクシーで空港へ向かう。朝早くてほとんど車が走っていなくて、10分ちょっとで空港に到着。リスボンは空港が近いのがいいが、電車がないのは不便だ。

チェックインカウンターもすいていてあっという間に手続きは終わり。帰りはミラノからの飛行機も発券してもらえるかもとちょっと期待したがやはりダメ。再びミラノでチェックインしなければならない。そうなると、ミラノからは通路側がとれないのではないかと不安になってきた。

出国手続きはイタリアでになるので、ここでは荷物検査のみ。これもあっという間に済んで、おみやげを一通り見たが、お店が小さくてあまり選択肢がない。あいている椅子を見つけてまずは朝食をとることに。紙袋をあけると、ハムとチーズがはさまったパン、りんご1個、ジュース1本。以上。それでもパンは半分も食べることができず、申し訳ないけれどゴミ箱行きとなった。

トイレはどこかと探すと、上にあがったところにあるらしい。行ってみると、お店がいっぱい。なあんだ、さっきのお店は搭乗口前にある小さなショップにすぎなかったのか。ということで、同居人を呼んできて、じっくりとおみやげ選び。まだ職場やご近所や親戚のおみやげのお菓子を買っていなかったのだ。職場にはサンデマン(ポルトのポルトワインメーカー)のチョコを、あとはチョコキャラメルの箱をいくつか買って(主に同居人の)バッグに押し込み、再び搭乗口前に戻った。

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ところが、搭乗口の電光掲示板が故障しているらしく表示が出ない。一瞬不安になり確認したところやはりこの搭乗口でいいようだ。しばらくしてようやく搭乗がはじまり、バスに乗ってさらに飛行機に乗り込む。9時20分発の飛行機だったが、さすが朝一番だけあってほとんど遅れることはなかった。

ほどなく朝食?が出てくる。シリアルとヨーグルト、フルーツのシロップ漬け、パン2つ。このくらいの軽い食事だと食べる気もおきる。ただし、パン2つは多いけど。

食べ終わった後はグーグー寝てしまい、あっという間にミラノ着。イタリア時間で1時近く。とにかくこのあとの飛行機で通路側をとるため急がなくてはならない。若干並んでいたが出国手続きもほどなく終わり、早足で乗り継ぎカウンターへ。帰りはカウンターも2つあいていて、意気込んだものの、有無を言わさず窓側の席2つをほいとよこされてしまった。気分は激しく落ち込む。帰りは行きよりも腰が痛くなるので、とにかくつらいからすぐに立てる通路側に座りたかったのだ。

うなだれつつも、友人に頼まれていたバッチチョコを買い、搭乗口近くの椅子でじっと待っていると・・・なんと、イギリス行きの飛行機はほとんどキャンセルになっているではないか。テレビのニュースを見ていると、どうもイギリスから飛行機に乗るには厳しい手荷物検査があり、手荷物はすべて透明なビニールに入れなければならないらしいこと、ずいぶんと欠航が出ているらしく、また遅れもかなり出ているようだということがわかった。ワタクシは、ミラノ乗り継ぎが嫌で、さんざん文句を言っていたのだが、ロンドン乗り継ぎでなかったのは非常にラッキーだったと言えよう。もしロンドン乗り継ぎだったら帰るのに苦労したに違いない(あとで知ったところによれば、この日、ヨーロッパ各国からロンドンに向かう便は欠航になった便がきわめて多かったとのことだった)。

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飛行機はほぼ定刻に動き始め離陸(今回もまた離陸の瞬間は寝ていた。ワタクシの場合離陸の時に目があいているのはまれである。同居人にもう離陸だよと起こされたのだが、次の瞬間また寝ていた)。昼食だか夕食だかが早速出てきた。帰りもイタリアンをチョイス。

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サーモンのサラダ、ラザーニア、チキンのトマトソース、じゃがいものグラタン、ブロッコリー、パン、チーズ、クラッカー。飲み物は赤ワインを。そして、驚いたことにデザートとしてアイスクリーム(クッキーアイス)が配られた。アイスが出てきたのははじめてだ。ちょっと溶けていたがおいしかった。

帰りは基本的には寝ることにしているので、映画は1本も見ず(もう何本か見たいのがあったけれど)、少しゲームをしたり、音楽を聴いたりしたくらい。結局2回しか席をたたなかったが、奇跡的に腰も痛くならずにすんでほっとした。乗って1時間後くらいに少しやばい感じもあったのだがなんとか持ち直したのだった。それにしても、やっぱり窓側の席はつらいですね。しょっちゅう立つのは通路の人に悪い気がして・・・

到着2時間ほど前に朝食。生ハム、チーズ、ミニトマト、パン2個(甘いのとフツーのと)、ヨーグルト。おもしろい味のジュースをもらった(何のジュースだったかは不明)。同居人はコーヒーをもらおうとしていたのだが、途中で空になったポットを持っていったスチュワードはついに戻ってこなかった・・・さすが、アリタリア!

定刻より若干早めに到着し、荷物も無事出てきた。スーツケースの宅配依頼をし、携帯を返却、成田エクスプレス、中央線を乗り継ぎ帰宅。午後1時すぎであった。 (完)

ポルトガル8日間の旅、食べ物もお酒もおいしく、のんびりとした国でいい旅だった。もうちょっと長く旅をしていたかったというのが本音だけど、またの機会にとっておこう。
そして、帰ってきた今、もう次の旅に出たくなる・・・のは毎年のことだ。

さて、今度はどこへ行こうか?

2006/08/17

ポルトガル旅行6日目

ポルトガル旅行6日目

7時に起床、40分に朝食へ降りていく。ビュッフェはなかなか充実していて、デザートにプディングまでとってしまった。翌朝は早くてホテルでは朝食が食べられないのが悲しい。

朝食後、前日の夕食の時にとっておいたパンを持って、フィゲイラ広場へ。あっという間に鳩の大群に取り囲まれあっという間に完売。そういえば、いつも鳥やらリスやらに餌をやっているような気がする。

この日の午前中はシントラとロカ岬の観光。バスは9時15分に出発し、10時すぎにはシントラに到着した。シントラは山の中の美しい街で世界遺産にも指定されている。
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王宮(夏の離宮で室内の装飾は大変豪華らしい)は水曜はお休みとのことで、ペーナ宮殿をかわりに観光。ミニバスに乗って数分、山の上のペーナ宮殿に到着。フェルディナンド2世が造らせたこの宮殿は調度品が東洋趣味で不思議な雰囲気。王宮が休みなのでみんなこっちに流れてきているのか、中はとても混雑していた。中も素晴らしいのだが、なんといっても外の眺めがいい。ムーア人の城壁(ミニミニ万里の長城みたい)の向こうに大西洋が見え、美しい眺めである。そして、もう一つ感心したのはトイレがきれいだったこと!ポルトガルはあまりトイレ事情がよろしくなく、美しいトイレに出会うとうれしい。

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続いて向かったのはロカ岬。ユーラシア大陸の最西端である。まあどうということはない岬だが、こんなところまでよく来たなあと一人感動。「ここに地果て、海始まる」という石碑の前で記念撮影をした。断崖のたつと、はるか下の方に海が見えちょっと恐い。最西端到達証明書なるものがあったが(5ユーロのものと10ユーロのものがある)、写真も撮ったことだし買うのはやめておいた。

昼食はシントラの近くにて。ポルトではうさぎだったが、このお店はヤギという名。看板にはやぎの絵が描いてあった。
お通しは、オリーブ、生ハム、そして前日の夜食べたフレッシュチーズ。生ハムはとろけるようで、赤ワインによくあう。ちなみにこの時頼んで出てきたワインはアレンテージョ地方の赤(4.5ユーロ)。これまたまろやかなワインでよろしい。
前菜はじゃがいもとリーキのスープ、メインは豚・牛肉などの串焼き(サフランライス、フライドポテト、サラダつき)。串に刺したものをテーブルでとりわけてくれる。そしてデザートはプディング。お通しの量が結構あったのでメインのつけあわせはほとんど残してしまった。

ホテルに戻ったのは3時で、暑いので少々休憩。とはいっても自由な時間はもうちょっとしかないので暑い中また出かける。本当は国立古美術館に行きたかったのだが、ちょっと時間が足りないようだったので、アルファマ地区に行ってみることに。リスボンに1、2日延泊したかったがダメで本当に残念だ。

フィゲイラ広場の切符売り場でブック・ドイシュ(2回券1.5ユーロ)を購入。車内で買うと1回が1.2ユーロだからこの切符を買った方がずっと得だ。たくさん乗るならば1日券を買うとよいだろう。
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広場で37番バスに乗り、終点まで。細い道を上がっていきたどり着いたのはサン・ジョルジェ城。3ユーロ払って入場すると、ぐるっとリスボンの街が見渡せる公園になっていた。城壁にも登れて景色が堪能できる。夜にはライトアップもされるらしい。

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サンタ・ルシア展望台を経て、アルファマ地区へと下っていく。昔の大地震でも被害をうけなかったリスボンでもっとも古い街並みである。ちょっと迷路のような細い路地が続いていて、人々の生活がかいま見えてなかなかおもしろい。市電も狭い道を通っていく。コルク専門店を探していたのだが、ようやくたどりついてみると店は移転しており、こちらの方ではないかと思ったあたりでは、男性2人が棒を振り回して喧嘩をしていたのでちょっと危ないかなと思い、行くのを断念。残念だ。

バラ窓の美しいカテドラルを見学し、すっかり脱水気味になっていたワタクシはスタンドでコーラを買い、ノドをうるおす。一度は乗ってみたかった市電(12番)に乗り、フィゲイラ広場へと戻ってきた。実は降車ブザーを鳴らすタイミングを逸してしまったのだが、たくさん人が降りたので無事ワタクシたちも降りることができた。
前日撮り忘れたロシオ広場の写真をとり、酒屋でおみやげのポルトワイン(ミニ瓶)を買い、スーパーでジュースを買って(緑茶入りジュースだったがほとんどお茶の味はわからず)部屋へと戻った。

夕食は海沿い(4月25日橋のたもとにある)のシーフードレストランにて。
前菜はサーモンのグラタン(お上品な味)。
メインはシーフード盛り合わせ。ムール貝のトマト煮、あさりのワイン蒸し、ゆで海老の蟹パテソース。海老がでかいこと!
デザートは激甘チョコケーキ。あまりに甘くて半分残してしまった。最後にビッカ(エスプレッソ)。ワタクシはコーヒーはまったく飲めないので同居人に飲んでもらった。
そしてワインは白のハーフ(6.5ユーロ)。出てきたワインは、なんとダオワインだった。檀一雄が自分の名と似ていたので愛飲したとされるワインである。これでほとんど飲みたかったワインが網羅され、充実したポルトガルの食事もこれで終わった。

実質5日間の観光を終え、もう帰国しなければならず、なんだか悲しい夜であった。 (つづく)

2006/08/16

ポルトガル旅行5日目

ポルトガル旅行5日目

この日は6時起床。着いてすぐだと時差ボケで余裕で起きているのだが、なれてくると6時じゃ眠い。出発が早いのしょうがないのだが。
6時半朝食。こう早いと、食べ物もちゃんとは揃っていなくてなんとなく中途半端な朝食に終わった。めずらしや、イギリスでは毎朝出る豆のトマト煮があった。

8時10分ホテルを出発。この日は特急でリスボンに向かうため、駅へと向かう。駅のすぐそばのホテルだから徒歩である。うれしいことに、スーツケースはバスに乗っけてリスボンまで運んでくれるらしい。鉄道の旅も大好きなのだが、駅は階段があるし、列車にえいやと運びこむのも大変。結局同居人が2つ持つことになってしまうのでいつも悪いなあと思うのである。

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ここ、ポルトのサン・ベント駅というと、ホール一面のアズレージョが有名。歴史的な出来事が一面に描かれている。保護のため紗がかけられているのが仕方ないとはいえちょっと残念。

ひとしきり写真をとったあと、8時40分の電車で一駅カンパーニャン駅へ。長距離列車は街の中央から離れた駅から出るのである(ヨーロッパってこういうことが多いですね。旧市街は基本的にはそのまま残すので)。
9時10分発の特急でいざリスボンへと出発。豪勢に1等車である。前との間隔を広いし、1-2の配列でゆったりとしていて快適だ。
ところがここでトラブル発生!なんと、旅行会社のミスで列車の切符が前日の日付のものだったのだ。当然、他に座る人がいるからどかなければならない。結局となりの車両がすいていたので同じ1等車に座れたからよかったものの、一時はずっとリスボンまでたちっぱなしかと冷や冷やもの。座れたことで安心し、グーグー眠ってしまった。

定刻より数分遅れて12時45分、リスボンのサンタ・アポローニア駅到着。あの暑いバスと再会、まずは昼食のレストランへ。街中のモダンなレストラン。さすが、首都である?
前菜は、ジェノベーゼ・バルサミコ酢のサラダ(なぜかイタリア風)、メインはあんこうの雑炊(ここにもコリアンダーが。ポルトガルはコリアンダーを多用)、デザートは2種のシャーベットである。ワインは白のハーフ。ラッキーなことに、飲み物はごめんなさいということで、ミスした旅行会社のおごりだった。

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午後はリスボンの簡単な観光である。まずはジェロニモス修道院へ。
エンリケ航海王子とバスコ・ダ・ガマの偉業をたたえ、マヌエル1世がたてたもので、ガマの柩がおかれているが、なんといってもここの見所は大きな回廊。1階、2階と手がけた建築家が違うこの回廊、彫刻がすばらしく、ずっと見ていても飽きない。

続いてはベレンの塔へ。これまたマヌエル1世の命により建てられた要塞で、海に浮かんで見える。司馬遼太郎がかつて貴婦人がドレスの裾を広げた姿に似ているとして「テージョ川の皇女」と呼んだとのこと。時間がなく中に入れなかったのが残念だ。

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そして最後は、これははずせない(!?)発見のモニュメント。歴史の教科書に載ってるあれである。エンリケ航海王子を先頭に、大航海時代に活躍した人々が続く。実にベタな観光スポットではあるがやはり押さえておかねばなるまい。何枚も写真を撮ってしまった。

その後ホテルにチェックイン。フィゲイラ広場近くの便利な場所にあるホテル・ムンディアルだ。ただし、ちょっと行くと危険地区があるので気をつけなければならない。

一休みしたあと、翌日の午後いろいろと見たいところを歩くとして、この日はおみやげを見つけようということに。まだあまりおみやげを買っていなくて、なんだか心配になったのだ(ポルトガルは意外とおみやげを買うのに苦労する)。まずは、スーパーの探索。スーパーは食料品などおみやげの宝庫である。しかし、近くのスーパーはそれほど大きくはなくここですべてを調達するのは無理そう。

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ということで向かったのは、(主に魚の)缶詰専門店のコンセルヴェイラ・デ・リスボア。古い店構えで店の壁中缶詰がぎっしり。人もたくさん並んでいる。というのも、お店はお婆さん2人が店番をしていたのだが、売り子をつとめるのは1人。しかも各お客さん1人あたり最低でも5分以上かかるのだ。缶詰についての説明やら、なにしろいろいろな味の缶詰があるので探すのも大変、そして一つ一つ丁寧に包んでくれるのである。ワタクシの前の(多分アメリカ人夫婦)人たちなどゆうに10分はかかっていた。缶詰の包み紙ももらったりもしていた。
ワタクシは並んでいる間に、いわしのトマトホットソース味とオリーブオイル漬け唐辛子味、そして、ずっと探していた小さな缶のオリーブ油を見つけたのでそれを買うことに決めた。やっと番がまわってくると、お婆さんはさっとポルトガル語と日本語の対照表を取り出した。よっぽど日本人もくるらしい(笑)。あ、でも「いわし」とか「まぐろ」とか「たら」くらいはワタクシでもわかるのだが。やっぱりゆうに5分以上はかかった買い物だったが、無事いわしの缶詰それぞれ5個ずつとオリーブ油を2つゲット。こういう買い物は楽しいものだ。

コメルシオ広場で写真を撮ったあと、老舗の食料品店マヌエル・タヴァーレスへ。どんなものが売っているかちょっと見に入っただけだったのだが、欲しかったいわしのパテが売っていたので5個、そしてマグロのパテも5個購入した。スーパーにももう一度寄ってあれこれ買い、これで食料品関係のおみやげはほぼそろえることができた。おみやげが確保できるとホッとする。

ホテルに戻るとそろそろ夕食の時間。この日は待望の自由食である。バイシャ地区のたくさんレストランが集まっているところで食事をしようと決めていたのだが、どこのお店もメニューは似たりよったり。客引きのウェイターさんに導かれてあっさり入ったお店(vossamerce)で、この旅行中まだ食べていなかったカタプラーナ(魚の蒸し煮)とアレンテジャーナ(あさりと豚の炒め物)を注文。もちろん、ワインもハーフ(赤)を頼んだ。

すぐにお通しも運ばれてきて、きっと料理の量も多いだろうからどうしようと思ったのだが、フレッシュチーズがおいしそうだったので食べることに(実際、おいしいチーズだった)。パンも2人で1つをわけ、すっかりお気に入りとなったいわしのパテをつけていただいた。
お料理は案の定量は多かったがどちらもおいしく、ワインもしっかりとした味わいの赤で、2.5ユーロという安さはびっくりである。トータルで23.15ユーロ。食べきれなかったパンを翌朝の鳩のえさ用に包み、満足してお店を出た。 (つづく)

2006/08/15

ポルトガル旅行4日目

ポルトガル旅行4日目

次第に時差ボケもとれ、朝もゆっくり眠れるようになってきた。いつもの通り7時起床。レストランは8時にならないと開かないため、朝食はゆっくりめ。いつもの通りのものをとるが、変わったところでは焼きりんごがおいてあり、これがなかなか美味。紅茶はこの日もまずい(怒)。つくづく紅茶にやさしくない国である。

朝食後、フランス式庭園を散歩していると、黒犬2匹がしっぽを振りながら近づいてきて、あごをべろーんとなめられてしまった。前の晩庭でおなかを地面にくっつけて寝ていた2匹だ。
ひとしきり遊んだあと、部屋に戻り、バス出発は9時半。

15分ほどで、ミネラルウォーターで有名なルーゾ(LUSO)の街で、水くみ。毎日お世話になっているあのお水である。このミネラルウォーターはくせがなくて飲みやすい。たくさんの人が大きな入れ物を持って汲みにきていた。ワタクシはあいている入れ物が500ミリリットルのペットボトルだけだったのでそれだけ汲んだが、他にも捨てずに持っておけばよかったと後悔。

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10時半、運河の街アヴェイロ到着。まずは駅で、見事なアズレージョ(装飾タイル)を撮影し(ホントにどこに行ってもアズレージョだらけ)、運河沿いのカフェ(というよりお菓子もおいているパステリア)でトイレを貸してもらう。お礼にというわけではないが、この街の名物お菓子オヴォシュ・モーレシュとポルトガルでは是非食べたかったエッグタルトを購入(2つで1.1ユーロくらい)。前者は、最中のような皮の中に、博多銘菓鶏卵そうめん味のクリームがつまったお菓子で、大変甘い。おいしいがちょっと甘すぎ?やはりエッグタルトの方が好みだ。鶏卵そうめんは日本独自のものかと思っていたが実はポルトガルから伝わったものであることを知り驚きである。カステラの原型もそういえばポルトガルのお菓子だったとか。意外に縁のあるポルトガルだ。

運河沿いのベンチでお菓子を食べた後はしばし散策。この国はおじいさんが街なかで何をするでもなくぼーっとしているなという印象。この街でもたくさんのおじいさんを見かけた(おばあさんは、路地裏で座わってレース編みをしたりしている)。

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11時45分この街を出発し、1時すぎにポルト到着。まずは、「シェ・ラパン」(うさぎ小屋)というお店で食事。食事場所があらかじめ決められていると店の名前はあまり覚えないものだが、入り口にうさぎがいたこともあって印象的だったので覚えていた。それにこのお店、壁中に世界中の人々の名刺や、メモやシールなどが貼られていてそれはそれは壮観なのである。もちろん日本人のものもたくさん。ワタクシもついついいらないシールなんぞを貼ってきてしまったのだった・・・

メニューは、前菜が豆のサラダ、メインがタコ・ポテト・玉ねぎのオリーブ焼き(にんにくが効いている)、デザートはチョコケーキ。毎日毎日デザートは甘くて全部食べるのは大変だ。
ワインは前日飲んですっかり気に入ったヴィーニョ・ヴェルデ(4.5ユーロ)。すっきりした味がいい。なかなか味わいのあるレストランだったが、蒸し暑いのには参った。

食後、徒歩で、エンリケ航海王子が生まれた(と言われている)家を通り、サン・フランシスコ教会へ。天井、壁、柱すべてに彫刻がほどこされ、その上に金箔がはられていて、なんともきらびやかである。
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その後、再びバスに戻り、途中世界遺産になっている街並みを写真に撮ったりしながら(映画「魔女の宅急便」の街のモデルの1つと言われている。確かに似ている!)ポルトワインのワイナリー、グラハムズへ。

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ビデオを見させられた後、お楽しみの試飲。ホワイト(白ぶどうから造られたもの)、ルビー(樽で4,5年熟成させたもの。ルビー色をしている)、タウニー(樽で6年以上熟成させたもの。ルビーよりさらに色が濃い。この日は10年ものを試飲させてもらった)の3種。どれもおいしいが、一番気に入ったのはタウニー。ポルトワインというと甘いというイメージがあったが、そうでもなくコクがあって大変おいしい。ただ、ワタクシはお酒は食事と一緒にいただく習慣で、食前酒、食後酒は飲まないから、あまり飲むチャンスはなさそうだ。

ホテルに着いたのは5時頃。駅のすぐそばの、ワタクシの大好きなホテルチェーン、メルキュールである(4ツ星)。
チェックイン後、クレリゴス教会へ。76メートルある塔はポルトガルで一番高いらしい。高いところに登るのが大好きなワタクシとしてははずせない。1人2ユーロ。狭い階段をのぼりきった上からは四方が見渡せ(またもや山火事の煙も見えた)、いい眺めだ。ついでに教会の中ものぞき、ショッピングセンターへと向かう。
といっても用事があったのは、地下のスーパー。例によって、コーラと紙パックのジュースを買い込みホテルへと戻った。

夕食は7時45分から。
前菜はミックスサラダ(ハムがしょっぱい)、メインは魚の串焼き(ポテト、人参、いんげん添え)、デザートはビュッフェ。プディングとチョコタルトとフィオス・デ・オヴォシュ(鶏卵そうめん)をとる。やはり甘い。
ワインは、リストにドウロの赤があったのでハーフで10ユーロとちょっと値は張ったがこれをいただく。さすがおいしいワインであった。 (つづく)

2006/08/14

ポルトガル旅行3日目

ポルトガル旅行3日目

この日も前日ほどではないが早く目が覚めてしまった。時差ボケがあるのでまあしょうがない。それでも7時までゴロゴロし、7時半に朝食へと降りていく。ポルトガルはコーヒーの国、紅茶はいまいちのが悲しいところだ。

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前日脱水気味であまりよく見られなかったバジリカをもう一度見学。朝早くから熱心な信者がたくさんだ。ひざまづきながら長い道を祈りつつまわる信者達。さすがに皆、ひざパットをしているようだった。

前日と同じくバスは9時半に出発。あいかわらず暑いバス。この日からはうちわを持ってバスに乗り込む(来年からも暑い国に行くときは持っていこう)。
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10時過ぎ、この日のはじめの観光地バターリャに到着。早速世界遺産となっている修道院の見学である。礼拝堂を見た後(エンリケ航海王子の墓がある)、ゴシック・マヌエル様式の回廊、ステンドグラスにきれいな無名戦士の墓(兵隊さんが退屈そうだった)、そして未完の礼拝堂。100年も工事が続いたとのことでいろいろな様式が見られるこの礼拝堂、結局未完で屋根がないのである。

修道院脇のおみやげやさんで、コルク製品をあれこれ買ったあと、バスに乗り込み、1時間10分ほどで次の目的地コインブラに到着。まずは高台にある新サンタ・クララ修道院近くのレストランにて昼食である。
前菜は野菜のスープ(たっぷりあって飲めども飲めどもなくならない)。
メインはバカリャウ・ア・ブラス(干しダラ~ポルトガルは実によく干しダラを食べるのだ。スーパーにも無造作においてある~玉ねぎ、じゃがいも、オリーブの卵とじ炒め)。おいしいのだが、じゃがいもがおなかにたまる。
デザートはアイスクリーム。
ワインは、ポルトガル名産ヴィーニョ・ベルデ(緑のワイン)。完熟前のブドウが作られるためアルコール分が若干低めで微発砲。さっぱりとした味わいで、特に暑い日はいい。ハーフで6ユーロ。普通のワインよりは少し高めであった。
ツアーの食事としてはめずらしくお通しもおいてあり(ポルトガルのレストランではお通しとパンは食べた分だけ料金がとられる)、その中からバシュティッシュ・デ・バカリャウ(干しダラのコロッケ。以前日本で食べて以来、ポルトガルに行ったら絶対食べようと思っていた)、いわしのパテをいただいた(いわしのパテはすっかり気に入ってしまい、リスボンでおみやげに大量に買い込んだ)。

食後トイレに行ったのだが、トラブル発生!なんと歯の詰め物がとれてしまったのである。どうも7年半ほど前にスペインに行く前日とれて慌てて歯医者にかけこみとりあえずつけてもらった歯・・・のようだった。最後まで痛くならなかったのが、せめてもの救いである。

食後は新サンタ・クララ修道院の見学。この修道院は慈悲深い王妃として皆に愛されたディニス王の妻イザベル王妃の柩が納められたところ。ちょうど結婚式の最中、そーっと中を見学した。対岸のコインブラ大学の写真を撮って移動。

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1308年創設されたコインブラ大学の見学である。旧図書館が圧巻。30万冊もの貴重な書物が納められており、調度品もまたすばらしい。本につく虫を食べるこうもりが住み着いているとのことで、実際ドアの隙間に1匹こうもりが寝ているのが見えた。ワタクシは活字中毒者なので図書館とか本屋を見るとうれしくなってしまう。
礼拝堂では(ここでも)結婚式が行われているところで(奥さんが実にたくましかった)見学までだいぶ待たされることになった。この日は日曜日、たくさんの結婚式が行われていたようだ。祭壇は階段状になっていて、カトリックの国としてはポルトガルだけの特徴だそうである。

大学から旧市街まで下って行くが、あいにくと今日は休日、ほとんどのお店が閉まっており、早々にホテルに向かうこととなった。
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この日のホテルは、コインブラから約30キロの国立公園内の森の中にある宮殿ホテル、パレスホテル・ブサコである。今回泊まるホテルの中で唯一の5ツ星ホテル。さすが宮殿を改造しただけあって、いい雰囲気のホテル。鍵は旧式、冷蔵庫はなく、クーラーもない(山の中なので涼しくクーラーはいらない)。大階段のアズレージョはとても美しい。

一休みしたあと、庭園を散歩し、ノドがからからだったのでスタンドでコーラとスプライトを購入(この日もまたすごい暑さだったので、スタンドは飲み物、アイスを買う人たちで大にぎわい)。25分ほど山を登って展望台からの眺めを楽しんだ。今年は猛暑、あちこちで山火事が発生しているとのことでここからも煙が見えた。

8時5分にホテルのダイニングで夕食。5ツ星なのでワタクシもおめしかえ。
前菜は魚のスープ、メインはすずきのグリル、デザートはアイスとケーキフルーツソース添え。ワインは、このホテルのワイナリーで造られた白のハーフ。16ユーロとかなり値ははったが、白とは思えない重さを感じさせるワインでおいしい。残念だったのは、同居人のグラスにハエが落ちて少し減ってしまったことだろうか。
お料理はワタクシ的には正直言って気取りすぎていたが、まあこういう雰囲気を楽しめばよいのだろう。 (つづく)

2006/08/13

ポルトガル旅行2日目

ポルトガル旅行2日目

時差ボケのため数時間眠っただけで目が覚めてしまったが、7時くらいまではゴロゴロし、7時半に朝食に降りて行った。品揃えはまずまずで、つくづくこのホテルに1泊だけなのが残念である。

9時半にいよいよバスツアーの出発(日本人ガイド付き)。ツアー参加者は全12名で、そのうち2名は別のホテルに泊まっているとのこと。フランクフルト乗り継ぎの人たちとロンドンヒースロー乗り継ぎの人たちがいて、ミラノ乗り継ぎで延々時間をかけてやってきたのは我々だけであった(ちょっといじける)。

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10時45分、最初の観光地であるオビドスに到着。城壁に囲まれた小さな街である。アズレージョが美しい門をくぐり、サンタ・マリア教会の前を通るとほどなく街の端に到着。高いところには必ず登りたがるワタクシは、もちろん城壁の上に登ってみた。
この街の名物はジンジャというサクランボのお酒とのことだったが、甘いお酒が苦手はワタクシはパス。

しばらくふらふらとしたあと、12時にバスは出発し、20分くらいでカルダスという街に到着。レプブリカ広場の朝市見学である。驚いたのは、どの野菜もでっかいこと。きゅうり、いんげんその他日本にはないサイズの野菜たちである。オリーブや、乾燥フルーツ、ナッツなども売っていて心ひかれたが、結局何も買わず、向かったのはスーパー。ワタクシは海外に行くとスーパーに入るのが大好き。毎日スーパーをもとめて歩いているといっても過言ではない(笑)。この日は結局買ったのは水だけだったが、ポルトガルは水が安い(ずっと、LUSOの水を買っていたが、癖がなくておいしい)。

その後バスはナザレへと向かう。
到着してすぐに昼食である。食事はついているのでおとなしくついていけば自動的に出てくるが、自分で探す楽しみ、食べたものを食べたいだけ頼むということができないのが悲しい(くどい!)。
この日の昼食は前菜が魚のスープ。魚臭さが嫌いな人にはきつそうだがなかなかおいしい。
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メインは、名物いわしの塩焼。シンプルだがいわしが丸々してこれまたおいしい。が、3尾は多すぎる!サラダとじゃがいももついていておなかいっぱいだ。フォークとナイフでいわしを食べるという体験はなかなかできませんね。
デザートは、でーっかいメロン。このあとスーパーや市場でよく見かけることとなったが、まくわうりみたいな大きなメロンだ。おいしいがこれまたちょっと量が多い。
ワインは、魚ということで白のハーフを頼んだ。4.5ユーロ。

食後は自由散策。ナザレというと、F・アルヌールの映画「過去をもつ愛情」でお馴染みで、既婚女性は7枚重ねのスカートを履いているということでも知られているが、この日は土曜ということもあってか海水浴客でいっぱいで大混雑。7枚重ねのスカートの女性たち、黒ずくめの未亡人たちも数人見かけたし、あじの開きを作っているところも見られた(日本と違って頭は開かない)のはうれしい。

暑い中1時間ほど街をぶらぶらしたが、途中で犬フンを踏んづけてしまい、またまたへこむワタクシ。パリなどでは危ないと思い十分注意しながら歩くのだが、まさかこんなところで踏むとは・・・それ以来歩くのに十分注意を払うようになったワタクシである。

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3時半に集合し、ケーブルに乗りシティオ地区へ。きれいな海ときれいな空と、いい眺めだ。ナザレ教会とメモリアル礼拝堂をのぞき、有料トイレ(0.1ユーロ。同居人はとられなかったそうな。個室に入るととられるのか?)に入って、4時すぎにバスは出発。ファティマへと向かう。

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1時間ほどで到着したこの街は、第1次世界大戦中3人の子供達の前にマリアが出現するという奇跡が起きたところから聖地となっている街。熱心な信者達が集まっている。バジリカ、出現の礼拝堂(マリアがあらわれたところ)を見学し、ホテルにチェックイン。この日の宿はこの街唯一の4つ星ホテル、ファティマである。部屋の壁に十字架がかけられているのがこの街らしい。

再びゆっくりとバジリカの見学・・・といきたいところだったが、今年のポルトガルは猛暑、しかもバスのエアコンの効きが非常に悪く、脱水症状気味になっていたのでまずは冷たい飲み物を買いに行くことに。
ちっちゃなお店で、水とスプライトとジュースを買い、ついでにおみやげのTシャツも買って、まずは水分補給。海外に行った際は気をつけてはいるのだが、もともと水分をとるのが苦手なのですぐに脱水気味になってしまうワタクシである。

夕食は7時45分より。ツアー客は(我々の他、イタリア人などの大きな団体もいた)宴会場?のようなところに集められての夕食である。
前菜はサラダ、メインは豚肉、ポテト、オリーブの炒め物。これが地味においしい。そして、デザートはプディング。大きい一切れだが、ワタクシはプリン好きなのでOKである。ワインは、赤のハーフ。夜もおなかがいっぱいになってしまったのだった。 (つづく)

2006/08/12

ポルトガル旅行1日目

ポルトガル旅行1日目

待ちに待った夏休み。

今年はポルトガル8日間の旅である。現地発着のバスツアーを利用するお手軽旅行。
そもそも今年は別の国への旅行を計画していたのだが、ぽしゃってしまい、慌てて申し込んだ旅行である。食事がほとんどついているというのが気に入らなかったのだが、そこは妥協。
去年、職場の近くのポルトガル料理屋さんで食べた料理がおいしかったので、食べ物にはかなりの期待を持っていた。

利用航空会社は10日ほど前にならないと決まらず、ワタクシとしてはパリかロンドンでの乗り継ぎを希望していたのだが(ポルトガルへの直行便はない)、なんと最悪のミラノ乗り継ぎ。この乗り継ぎが一番時間がかかるし、悪いがアリタリア航空はあまり好きではないのでちょっとへこんでいた(しかし、のちにこの乗り継ぎに感謝することになる)。

当日は6時に起床し、軽くごはんを食べて7時に家を出発。ちょっと早い8時に東京駅に着いてしまい、8時半まで成田エクスプレスを待つ。乗って約1時間。9時半には成田第一ターミナルへ到着した。

携帯を借りたり、スーツケースを受け取ったりして、ちょうどチェックインのはじまるところのアリタリアのカウンターへ。一人一人に時間がかかって、なかなか番がまわってこない。3時間前という早い時間でのチェックインのかいあって、無事通路側ゲット。腰の悪いワタクシにとっては通路側がとれるかどうかは重要な問題なのだ。

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11時半には出国手続きを済ませ、12時頃朝食の残りのパンを食べて酔い止めを飲み、12時35分に搭乗開始。乗ってみると、なあーんだ、飛行機は結構すいていて、必死になってチェックインしなくてもよかったような・・・我々も、中3列を2人で使うことができた(アリタリアミラノ線は、3-3-3の配列)。

定刻より少々遅れて1時30分離陸。ほどなく、飲み物、続いて食事のサービス。
食事はイタリアンをチョイス。圧倒的にジャパニーズよりイタリアンの方が人気のようだった。コンキリエのトマトソース、パストラミ、ポテトサラダ、ビーフ・ズッキーニ・きのこの煮込み、パン、バター、パルミジャーノ・レッジャーノ、クラッカー、フルーツ。飲み物は赤ワインをいただいた。

ゲームをやったり、映画を見たり、寝たり。映画は、「ピンクパンサー」、「ファイアーウォール」の2本(後日感想UP予定)。手元で好きな時間に見られるシステムはありがたい。
途中でスナックがまわってくる。ワタクシはクッキーを、同居人はつまみ種をもらう。
そして2食目の食事は、ハム2種、ポテトサラダ、バジルパン、コーヒームースケーキ、チーズ、クラッカー。飲み物は再び赤ワイン。

そうこうしているうちに定刻より10分ほど早くイタリア時間で午後6時22分(時差7時間)ミラノマルペンサ空港へ到着。
成田でここまでのチケットしか発券してもらえなかったので(リスボンまでもアリタリアなのだが、ポルトガル航空とのコードシェア便で、こちらの方が主体だったので発券できないらしい)、乗り継ぎカウンターへ・・・向かったのだが、なぜか人がいない。いったいどこでチェックインすればいいのか?あちこち行った末、アリタリアのキャンセル待ちカウンターの人にどこへ行けばいいか、聞いてみると、ここでできるとのこと。なあんだ。あちこち行って損したなあ。乗り継ぎカウンター自体、すごく不便で遠いところにあって、もっとわかりやすい場所に置いてほしいものだ。

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リスボン行きの飛行機はイタリア時間で午後9時20分発だったが、すでに掲示では遅延と出ていた。20分遅れらしい。ところが、さらに遅れ結局飛び立ったのは10時すぎだったのだった。

飴が配られたあと、この日何度目だかわからなくなってきた、またまた食事。コジード・ア・ポルトゲーザ(ソーセージ、肉、野菜、豆を煮込んで、煮汁で米を炊いたもの)、パン、チーズ、クラッカー、あまーいムース。さすがにここまでくるとほとんど食べる気力がない。

ほとんどうつらうつら寝ているうちに、ポルトガル時間(日本との時差8時間)で午後11時40分到着(25分の遅れ)。いいかげん疲れているところだが、同じシェンゲン条約加盟国であるイタリアですでに入国手続を済ませていたのであらためてここでは入国手続がないのが救い。

ところが・・・荷物が出てこない!そのうち、ターンテーブルもとまってしまった。かつて、ワタクシのスーツケースだけが出てこなかった、ということはあったが、我々2人とも出てこないとすると大変だ。青ざめつつ、ロスト&ファンドカウンターを探すが、すでに日本時間では翌朝、意識ももうろうとしてなかなか見つからない。ふと、もう一度ターンテーブルに戻ってみると、なんとまたターンテーブルが動き出し・・・ああよかった!我々の荷物2つが出てきたのであった。深刻な顔をしたアメリカ人風男性1名と、イタリア人っぽい家族を残してスタコラと出口へと向かう。

ホテルへはタクシーで。かなり飛ばして(夜中だからか?)ちょっと恐い。
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ホテルはリスボン市内ではなく、リゾート地のカルカベロス、ホテルリビエラである。なかなか豪勢な四ツ星ホテルであったが、滞在時間が短く残念だ。

もう出発してから24時間以上がたっていたが、しっかり洗濯もし、就寝したのは現地時間で午前2時であった。ながーい1日がようやく終わったのだった。 (続く)

2006/08/11

帰国しました

本日ポルトガルより帰国しました。8日間の旅、あっという間でした。

我が家のためのおみやげです。
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Tシャツは同居人のもの(魚の骨がPORTUGALとなっている)。
右奥は、缶入りオリーブオイルと、プリンの素。
中央のお皿は、オリーブ入れ。小さいところは種を出すところ。そして鶏のワイン栓。鶏はポルトガルのシンボル。
毎度買う、スープの素。各国いろいろな味があっておもしろい。
手前は、左から、いわしの缶詰(オリーブ漬唐辛子味と、トマトホットソース味)、いわしのパテ、まぐろのパテ。

旅行記は明日より掲載予定。

2006/08/04

お知らせ

本日(4日)より本格的な夏休みです。

次回更新は、11日となる予定です。

2006/08/03

「トランスポーター」

本日の映画
トランスポーター【廉価版2500円】
movie-63 「トランスポーター」 The Transporter 2002年米仏

DIR:ルイ・レテリエ、コリー・ユン
CAST:ジェイソン・ステイサム、スー・チー、マット・シュルツ、フランソワ・ベルレアン、リック・ヤング
STORY:フランクはプロの運び屋。高額の報酬とひきかえに、なんでも正確に目的地に運ぶ。ある日、依頼品をトランクにつみ出発するが、道中不審に思ったフランクはバッグをあけてしまった。すると、そこには手足を縛られた美女が・・・

☆☆☆最近すっかりフランスのアクション映画づいているが、これもなかなかのおもしろさ。同じリュック・ベンソン製作脚本の映画「TAXi」シリーズと比較すると、こちらの方が硬派といえようか。

主人公は、寡黙でクールな男。自分のルールに従いきちんと仕事をこなす・・・
はずだったのだが、主人公フランクは自分に課したルール3つのうちの1つ、依頼品は決して開けないというルールを破ってしまったため、トラブルに巻き込まれていく。

プロの運び屋という職業(?)がおもしろく、前半は、きちっと仕事をこなしていく主人公の様子や、カーアクションなどテンポよくストーリーが進んでいき、これは傑作かも?と思ってしまったが・・・
途中で、運び屋(トランスポーター)というせっかくの設定はどうでもよくなり(笑)、フツーのアクションムービーへ・・・ストーリーもどこかで見たようなお話になってしまい、ちょっと残念。
いや、でも90分ほどという長さもちょうどよくて、十分楽しめたから、まあよしとしよう。

主演はJ・ステイサム。やたら上半身裸になったりして、筋肉に自信があるのねと思ったら、元オリンピックの飛び込み選手だそうで。しゃべらない方がかっこよく見えますね、この人(笑)。

最近のフランスのアクション映画、ホントにハリウッド映画ばりで、まだまだおもしろい映画がありそうで、楽しみだ。

明日から休暇

夏休み前の仕事は今日でおしまい。

出かけるのは明日(3日)ではないのですが、これから当分仕事のことを考えずに済むと思うとうれしいですね(もっとも日本にいる限りは仕事が追っかけてきたりするのですが・・・)。
今年は特にこの数ヶ月忙しくて、ちゃんと休暇がとれるか心配しました。
というわけで、今脱力しているところであります・・・

2006/08/02

大田垣晴子『イラスト日用服飾事典』

本日の本

book-34 『イラスト日用服飾事典』 大田垣晴子・画文 講談社+α文庫

様々な服飾に関する言葉の由来を画文で紹介する本。
意外と知らないことが多く、大変勉強にもなったが、なんといっても太田垣さんの画文集は、味のあるほのぼの系イラストがいい。
基本的にはのほほん系なのだけど、随所に鋭いツッコミあり、鋭い鑑識眼あり、読んで(見ていて)ほほーっと思うこともしばしば。もちろん、笑いもあって太田垣さんの本はいつも楽しい。
細切れで読んで(見て)も大丈夫、というところは通勤向きかも。ただし、絵が目立つので、周囲の人からなんだろとのぞき込まれることも多いです(苦笑)。

日用服飾事典Plus

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