ピーター・アントニイ『衣裳戸棚の女』
本日の本
book-40 『衣裳戸棚の女』 ピーター・アントニイ著 創元推理文庫
STORY:素人探偵ヴェリティは街のホテルの2階の窓から隣室の窓へと移る男を目撃、ホテルに入ると当の本人が中で男が殺されているとへたり込んだ。部屋にかけつけてみると、ドアも窓もいつの間にかしっかりと鍵がおりていて・・・
☆☆☆☆密室物として有名なこの作品をついに読了。
実を言うと、とても読みづらい本で(細切れに読んでいたというのもあるが)かなりの時間をかけてようやく読み終えた。
が、ラストの探偵の謎解きで、びっくり!である。なんとこんな人が犯人とは!
密室トリックはわかってしまうと、あーなるほどね、という程度なのだが、「真犯人」は驚き。すっかりだまされてしまった。いかにもという人物がうろうろしていて、すっかりそのミスディレクションにやられてしまった。題名もうまい。
作者の名前は、双子の兄弟の合作ペンネーム。一人は、アンソニー・シェーファー。もう一人はピーター・シェーファー。映画ファンなら、すぐおわかりのことと思うが、アンソニーは、「スルース」の原作者であり、ヒッチコックの「フレンジー」や、クリスティ原作の「ナイル殺人事件」の脚本家、ピーターは「アマデウス」の原作者である。
そういうこともあってか戯曲的で、この作品、舞台にしてもよさそうだ。
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