「砂と霧の家」
本日の映画
movie-81 「砂と霧の家」 House Of Sand And Fog 2003年米
DIR:ヴァディム・パールマン
CAST:ジェニファー・コネリー、ベン・キングズレー、ロン・エルダード、ショーレ・アグダシュルー、フランシス・フィッシャー
STORY:亡き父が残した海辺の一軒家に一人住むキャシー。夫に去られた彼女は仕事もせず漫然と過ごしてたが、役所の手違いからわずかな税金未納で家を差し押さえられてしまい、イランから亡命者ベラーニのものとなってしまった。キャシーは家を取り戻そうとするが、ベラーニは応じなかった。
☆☆☆重くて悲しい物語である。
キャシーは、夫に捨てられたショックか、働くこともせずただ怠惰に毎日を過ごし、家が人手に渡ると、なんとか取り戻そうとする。家が最後のよりどころだったのだろうか。恐いくらいの執着ぶりである。
キャシーの家を買ったベラーニは、故国イランでは上流階級だったが、アメリカでは肉体労働を余儀なくされている。家族にも友人にも本当の仕事のことが言えないベラーニは、安く買った家を転売することでもうけようとする。
ベラーニの妻は、上流の暮らしが忘れられず、ベラーニを責めてばかり。結果的にベラーニを追いつめてしまう。
そこで登場するのが、キャシーを好きになり、家を取り戻すのを手伝おうとする保安官レスター。移民への差別意識もあらわに保安官の権威を笠に着て、ちからづくでキャシーに家を取り戻してやろうとする。
キャシーが、郡からの手紙をきちんと見ていれば、郡のミスがなければ、ベラーニが元の値では家を返さないと言わなければ、レスターがおせっかいをやかなければ・・・防げたのかもしれないのに、悲劇は起きてしまう。自殺未遂をおこしたキャシーと、ベラーニ一家がようやく心を通わせたと思ったのに・・・
結局誰が一番悪いというわけではないのに、と考えるとよりいっそう悲しい結末に思えてくる。
J・コネリー、B・キングズレー、S・アグダシュルー(一瞬アン・バンクロフトに見えてしまった)3人の緊張感のある演技で、胸にずしりとくる映画となった。
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