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2006/11/27

「堕天使のパスポート」

本日の映画
堕天使のパスポート
movie-91 「堕天使のパスポート」 Dirty pretty Things 2002年英

DIR:スティーヴン・フリアリーズ
CAST:オドレイ・トトゥ、キウェテル・イジョフォー、セルジ・ロペス、ソフィー・オコネドー
STORY:ロンドンのホテルのメイドとして働くシェナイは不法滞在者。シェナイの同居人オクウェも夜はホテルの夜勤として昼はタクシー運転手として働く不法滞在者だった。ある日ホテルの一室のトイレで人間の心臓を発見したオクウェは支配人に警察に連絡するよう言うのだが・・・

☆☆☆厳しい現実がかいま見られる映画である。

不法滞在者であるため、長時間低賃金での労働を強いられる者たち。シェナイもそんな一人である。常に移民局に捕まるのではないかと怯えて暮らす彼女もひょんなことから、ホテルにもいられなくなり、さらに悪条件の工場へと追いやられ、工場長からの虐待を受ける。現実にもきっとこのような立場の人々はたくさんいるのだろう。
一方オクウェは故国ではインテリの医者だったが、政府の陰謀で殺人犯のぬれぎぬを着せられ逃亡してきた男。このような人物もまた現実にいるに違いない。

絶望からシェナイは自分の臓器を売って自由を得ようとし、オクウェは脅されて手術を請け負うことを承諾する・・・この映画に出てくるイギリス・ロンドンは、豊かさも優雅さもまったくかいま見られず、絶望とあきらめが支配する底辺。
希望のあるラストではあるけれど(そしてちょっと小気味いい)、完璧なハッピーエンドではなくほろ苦さも残る。2人が生き延びたとしても、生き延びられない人々がたくさんいるに違いないからだ。

たくましさと弱さが同居するヒロイン、A・トトゥはあいかわらず不思議な雰囲気だが、オクウェ役のキウェテル・イジョーフォーが素敵(「ラブ・アクチュアリー」に出てた?あまり記憶にない)。主人公たちを助ける娼婦役のソフィー・オコネドー(「ホテル・ルワンダ」でオスカーノミネート)も印象的だ。

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コメント

アメリの印象がつよかったので軽くショックを受けながら観ました。立場の弱い人間とその人達をどこまでも利用しようとする人間の嫌な部分が目立つ映画だったと思います。現実に行われると思うと悲しいですね。

しぽさん、こんばんは。A・トトゥ、確かに「アメリ」のイメージが強いですね。
きっとこんな出来事が現実にあるんだろうなあと思うので、見終わってすっきりしないのです。サスペンス映画かなと思って見始めたのですが、必ずしもそうではありませんでした。

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» 映画『堕天使のパスポート』 [茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~]
原題:Dirty Pretty Things  -帰るべきところは・・・- ロンドンでアパートの1室をシェアするトルコからの不法滞在者シェナイ(オドレイ・トトゥ)とナイジェリアからの不法滞在者オクウェ(キウェテル・イジョフォー)の少しだけ危険でシリアスな物語。オクウェの高潔過... [続きを読む]

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