リリアン・J・ブラウン『猫は郵便配達をする』
本日の本
book-52 『猫は郵便配達をする』 リリアン・J・ブラウン著 ハヤカワ・ミステリ文庫
STORY:元新聞記者クィラランは、莫大な遺産を得てピカックスに移り住むことに。昔屋敷に勤めていたメイドの失踪事件を追うクィラランだったが、途端に不審な事故があいつぐ。
☆☆☆シャム猫ココシリーズ第6弾。といっても、日本では前作同様、かなりあとになってから出版されたもの。この2作が抜けて、いきなり7作目が翻訳されていたわけだから、わかりにくかっただろうなあ。
本作では、根っからの記者クィラランが、ピカックスに5年住まないと遺産が手に入らないということで(実際は、全然違うところに遺産がいかないよう、地元にお金が還元されるようとの配慮から)、とまどいつつ田舎ぐらしをはじめる。そのギャップがおかしい。
「猫はスイッチを入れる」に登場したコブ夫人が家政婦として住み込み、美人女医メリンダが恋人となり、と順調なクィラランだが、推理の大きなヒントをくれるのはやはりココ。大きな手がかりとなる郵便物をくわえて持ってきたり、ヒントとなる本を抜き出したりと、大活躍。
ミステリーとしてもきちんとツボを押さえているし、今後クィラランの生活にかかわってきそうな人物がたくさん登場するなど(その一方で周囲の人が次々死んだり犯人としてつかまったりしそうで、大丈夫なのかという気もするが)、ますますこのシリーズが楽しみだ。
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