« 「Vフォー・ヴェンデッタ」 | トップページ | リリアン・J・ブラウン『猫は郵便配達をする』 »

2006/11/20

「ブロークバック・マウンテン」

本日の映画
ブロークバック・マウンテン プレミアム・エディション
movie-90 「ブロークバック・マウンテン」 Brokeback Mountain 2005年米

DIR:アン・リー
CAST:ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール、ミシェル・ウィリアムズ、アン・ハ
サウェイ、ランディ・クエイド、リンダ・カーデリーニ
STORY:1963年ワイオミング。ブロークバック・マウンテンの牧場に雇われたイニスとジャック。キャンプをしながら羊の放牧をするうち、いつしか2人の間には友情を超えた感情が芽生える。互いに結婚し家庭を築いた2人だったが・・・

☆☆☆☆今年のアカデミー賞監督賞・脚色賞・作曲賞受賞作品。

題材が題材だけあって、見る前は実を言うとちょっとどうかなあと思っていたのだ。
ところがこれがいいのである。

惹かれあってしまった2人、イニスとジャック。いったんは別れ互いに家庭を持つものの、お互いを忘れることができず、また会うようになる。2人の関係がお互いの家庭を壊すことになっても感情を抑えることができないのだ。お互いのことを思っていてもめったに会うことのできないつらさ、世間から隠れてしか会うことができないつらさは観ていてせつない。

とともに、2人の妻たちも悲しい。イニスの妻は夫とジャックとの関係を知ってしまい、ぶつけようのない怒りやいらだちを感じ(M・ウィリアムズ好演)、ジャックの妻は夫とイニスとの関係を薄々感じてはいるのか?事業は成功しても夫との仲が次第に冷えていく(A・ハサウェイがこれまでのイメージをくつがえす演技)。

イニスは最後までジャックへの愛を肯定することができず・・・ジャックの愛を受け入れることができず・・・悲しい結末となる。余韻のあるラストだ。
ブロークバックの自然が非常に美しく、ギターの音色もまた美しく、切なさがさらに助長されるようだった。

内向的で寡黙なイニス役、H・レジャー、陽気で天衣無縫なジャック役、J・ギレンホール、いずれも今までいいと思ったことがなかったのだが、とてもよい。
アン・リー監督も、いつも作品の傾向が違うのでとらえどころがないのだけど、これは「いつか晴れた日に」に続いて評価したい作品である。

« 「Vフォー・ヴェンデッタ」 | トップページ | リリアン・J・ブラウン『猫は郵便配達をする』 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

nocciさん TBとコメントありがとうございました!
主演のお二人、実は私もコレまではイマイチでした。
特にジェイクのほうは。。。
でもこれで一変しました!
特にジェイクが(´qp`*)
良かったです♪

こんばんは、なぎささん。こちらこそありがとうございます。
ジェイク、無邪気で、そして一途な感じがよかったです。
グィネス・パルトロウ共演の「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、見たいです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「ブロークバック・マウンテン」:

» 映画「ブロークバック・マウンテン」 [茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~]
原題:Brokeback Mountain アメリカ西部ワイオミングのブロークバック・マウンテンでの二人の男の運命的な出会いから20余年の友情を越えた禁断の愛の哀しい物語・・・。 寡黙なイニス・デル・マー(ヒース・レジャー)と、おどけたジャック・ツイスト(ジェイク・ギレンホール)は... [続きを読む]

» NO.179「ブロークバックマウンテン」(アメリカ/アン・リー監督) [サーカスな日々]
都市で「ジェンダー革命」が進んでいたときも、 西部では秘匿された「対幻想」としてあった。 ゲイやレスビアンの思想を辿ってみれば、旧約聖書のダビデとヨナタンの関係にまで遡る。このダビデに関する崇拝は、ルネサンスのミケランジェロの「ダビデ像」にまでつながっている。 ゲイやレスビアンの錚々たる人物史は、アウグスティヌスによって、1千年近く禁忌にされたというが、思想で言えば、ソクラテスからフーコーまで、文�... [続きを読む]

» ブロークバック・マウンテン [UkiUkiれいんぼーデイ]
このタイトルって、同性愛の「隠語」みたいなものかと勝手に思い込んでました。。。 単なる山の名前だったんですね(ノ〜\*)。゜ 実は、うちのダンナにも大親友がおりましてね。 以前にも「釣り」に行くと出かけたこと、ありました。 物陰で抱擁してるとこなんて見たりしたらぁ〜 おぉ〜怖っ!!! ワイオミングの広大な大自然と、友情を越えた愛を描いたこの作品。 観終わった感じが、クリント・イーストウッド監督作品みたいなドーンとしたものが残る感じがしました。 このての... [続きを読む]

« 「Vフォー・ヴェンデッタ」 | トップページ | リリアン・J・ブラウン『猫は郵便配達をする』 »

twitter

google


  • Google

    WWW
    ブログ内

amzon