「レオポルド・ブルームへの手紙」
本日の映画
movie-23 「レオポルド・ブルームへの手紙」 Leo 2002年米
DIR:メヒディ・ノロウジアン
CAST:ジョセフ・ファインズ、エリザベス・シュー、ジャスティン・チェンバース、デボラ・カーラ・アンガー、メアリー・スチュアート・マスターソン、デニス・ホッパー、サム・シェパード
STORY:15年の刑期を終え出所したスティーヴン。食堂で働く彼の心の支えはレオポルドー・ブルーム少年へ手紙を書くこと。レオポルドは、彼が生まれた日に夫と娘を事故で亡くしたことから生まれてきた子を愛することができなくなってしまった母メアリーの愛を知らずに育った孤独な少年だった・・・
☆☆☆凝った構成の映画である。
メアリーは結婚して家庭に入ったため学問をあきらめたことに納得のいかない思いを抱いており、近所の主婦のウワサ話を信じて夫ベンの浮気を疑ったことがきっかけとなって、出入りにペンキ職人と浮気してしまう。夫と娘が交通事故死したショックで生まれた子供レオポルドをペンキ職人の子と思いこみ、事故も自分のせいと自分を責め続けるメアリーは、まったくレオポルドの愛情を持つことができない。
本だけを友達として成長したレオポルドと、寡黙に淡々と食堂で働くスティーヴンは共に孤独で、文通をするこの2人がどうからんでいくのか・・・という展開はまあ早い段階でうすうす読めるのだが、スティーヴンのパートとレオポルドのパートを交互に展開しうまくラストへと持っていっている。スティーヴンにとってもレオポルドにとっても救いのあるラストで静かな感動で締めくくられる。
目のするどい演技が見事なJ・ファインズ(お兄さんのレイフより濃いなあ)、「リービング・ラスベガス」の延長のような汚れ役を熱演するE・シュー他、いつもながらけだるい雰囲気がにじみでるD・C・アンガー、無愛想だが実はスティーヴンをよき理解者であった食堂の経営者役S・シェパード、切れ方が恐いD・ホッパーと、いろとりどりの役者も見所(久々にM・S・マスターソンも見たし)。
とてもやりきれないお話であるが、最後の一筋の光が救いとなった。
ジョイスの「ユリシーズ」を下敷きとしたお話だそうだが、読むとこの映画も違った見方ができるのだろうか?「ユリシーズ、何度挑戦しても数ページで挫折してしまい(笑)、今後も読み通すことはないと思うのでわからないままだ。
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