「ラヴェンダーの咲く庭で」
本日の映画
movie-21 「ラヴェンダーの咲く庭で」 Ladies In Lavender 2004年英
DIR:チャールズ・ダンス
CAST:ジュディ・デンチ、マギー・スミス、ダニエル・ブリュール、ナターシャ・マケルホーン、ミリアム・マーゴリーズ、デヴィッド・ワーナー
STORY:1936年のイギリス・コンウォール地方の海岸にある日一人の青年が打ち上げられる。青年を発見した老姉妹は彼を自宅に連れ帰り看病する。やがて、彼はポーランド人のバイオリニストで、アメリカに向かう途中船が難破し、流れ着いたことが判明。回復した青年のバイオリンは姉妹の心を和ませるのだった。
☆☆☆☆この映画が公開された当時、イギリスにピアノマンなる男性が流れ着いたとかで話題になっていましたね。なんだかうやむやのうちに終わってしまったが(映画の宣伝じゃないと思うけど)、確かにこの地方は古くから難破船などもよく打ち上げられる場所らしい。
物語は、突如あらわれた青年(「グッバイ・レーニン!」のD・ブリュールがかわいらしい!)によって、コンウォールの海辺に、慎ましく静かに2人寄り添うように生きてきた老姉妹の生活にさざなみが立つというもの。青年は、自分を助けてくれた姉妹に対して感謝の念を持っているだけなのだが、姉妹の、特に妹アーシュラは淡い恋心に似た感情を持ちはじめる。そのせいで、アーシュラと姉ジェネットとの間がぎくしゃくしたりするが、青年の才能に興味を持った女流画家があらわれると、結束したりして、なんだかほほえましい。
行動的で気が強そうだが、案外もろい妹アーシュラと、冷静沈着で冷たいように見えるが、とても妹思いの姉ジェネットを、それぞれ共にオスカー女優でありデイムである、ジュディ・デンチとマギー・スミスが演じ、素晴らしい。この2人の演技を見ているだけでも見ごたえがある。
結局、青年は見いだされて、バイオリニストとして飛躍していくわけだが、もう手の届かなくなってしまった青年のことを寂しく思いながら、長い廊下を歩いていく2人のショットで終わるラスト、静かな余韻にひたることができるラストである。
コンウォールの美しい風景と、イギリス的な家のインテリア、なにげないお茶の風景など、イギリス好きのワタクシとしてはツボにはまる映画でありました。
渋い俳優のC・ダンス初監督作だが、演技と同様、とても渋い映画を作ったものですね。
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原題:Ladies in Lavender
いくつになっても恋はしたい、誰かのことを想うことが人生の幸せ、まして恵まれない境遇のまま壮年、老年を迎えた人に訪れたチャンスなら藁をも掴みたい
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