【モネ大回顧展】
art-5 【モネ大回顧展】 国立新美術館
黒川紀章氏設計の建物は奇抜で、ガラス張りの感じはシャルル・ドゴール空港をなんとなく連想させる。
チケット売場のところから、30分待ちと看板が出ていて少々うんざり。仕方なく列に並ぶ。
結果的には30分は待たずに入場できたが、中も人、人、人・・・うーむ、これが休日だったらどれだけ待つことか・・・新しいからなのか、モネの人気なのか。その両方なのだろう。
展覧会は人物画からはじまる(ポスターの「日傘の女性」も入ってすぐのところに)。しかし、モネというとやはり風景画。初期の頃から明るい陽の光と影が美しい絵が多い。「アルジャントゥイユのモネの庭」や、「庭のカミーユ・モネと子供」そして、もちろんジヴェルニーの庭の絵も、明るい色調で、花も美しい。
当時はあまり描かれなかったという雪の風景もあり、カラフルさはないが、明と暗のコントラストがきれい。有名な「かささぎ」もこういった絵の一つだ(今回きています)。
圧巻はやはり、積みわら、ルーアン大聖堂、ウォータールー、チャリングクロスの橋などのシリーズのコーナー。光のあたり具合によって風景がどのように変化するか、同じ題材の何枚の絵を見るとつぶさにわかっておもしろい。特にワタクシは積みわらのシリーズが大好きで、積みわらの絵がきていると聞くと1枚だけでも見に行ってしまいたくなるほど。今回も4枚きていて満足だ。
最後は睡蓮のコーナー。正直言って最晩年の睡蓮はあまり好きではないのだが、モネが視力をほとんど失って描いていたと聞くと、あの極端な色調も、モネにはそういう色に見えていたのだろうと思うし、あの粗いタッチも気力をふりしぼってのことだったのかもと思う。
100点あまりの展示だったが、驚いたのは日本の美術館が所蔵しているモネの絵の多さ。作品数が元々多いにしても、いかに日本人がモネ好きかのあらわれと言える。むしろ、日本の美術館が持っている作品の数々は未見のものが多かったので、収穫だった。
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