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2007/06/23

杉浦明平『カワハギの肝』

本日の本
カワハギの肝
book-33 『カワハギの肝』 杉浦明平著 光文社文庫


著者はイタリアルネサンス研究家であり、翻訳家であり、文学者、批評家、小説家でもあった人(故人)。もしかして、クオレなんかはこの方の訳で読んだかもしれないが、今まで名前は存じ上げなかった。が、ワタクシは食に関するエッセイが大好きで、もう30年も前の本ではあるが(これは復刊本)読んでみた。


著者は食に関してすごい頑固。うまいものはうまい、まずいものはまずい、がはっきりしている・・・固いものが好きで柔らかにものはきらいらしい。そして、先頃の食べ物は苦みがなくなったとなげく。確かに、30年前よりさらに、食べ物は、より苦くなく(野菜なんて特に)、すっぱいものは甘くなり、柔らかいものの方が好まれるようになっているようだ。
苦みでいえば、ビール!著者も最近のビールは女子供の飲むものになってしまったとなげく。ワタクシはビールも苦いのが大好きなので、女子供の~というくだりには賛成しかねるけど(笑)、この頃からもう食べ物の軟弱化(?)ははじまっていたということだろうか。


おいしいものを食べるためなら、自分で野菜を作り蜂蜜もとる、という著者のエッセイ、一本筋が通っていてある意味気持ちいいです。

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