小林利延『ゴッホは殺されたのか』
本日の本
book-39 『ゴッホは殺されたのか』 小林利延著 朝日新書
オランダに行く前に読み切りたかったのだが残ってしまい、戻ってきて読んだ本。
ゴッホは一般に自殺したと言われているが、この本は大胆にも弟テオが殺したのではないかとする。
遺体の銃創が不自然、目撃者がいない、凶器が見つからない・・・などから自殺ではないとし、テオが次第に兄へのいらだちを募らせ、決定的な出来事があって、ついに犯行に及んだと推論する。
確かに説得力のある部分もあるのだが、ワタクシとしては、テオが兄を殺したとは思いたくない。
精神的に不安定で、収入もほとんどない兄に対し、経済的にもメンタル面でも最後まで献身的に面倒を見たテオがそんなことをするはずはないと思うのだ。
しかし、ヴィンセントがテオに向けて送った大量の手紙を検証しながら、ゴッホの死の真相へと迫っていく経緯は、ミステリー小説のようで興味深い。おもしろい本である。
死の真相は、謎を残したままでよいとも思うけれど・・・
ゴッホの書簡集、じっくり読んだら気がめいりそうな気もするが、いつかは読んでみたい。
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