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2008/12/23

ギルバート・アデア『ロジャー・マーガトロイドのしわざ』

本日の本
ロジャー・マーガトロイドのしわざ (ハヤカワ・ミステリ 1808) (ハヤカワ・ミステリ 1808) (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
book-59 『ロジャー・マーガトロイドのしわざ』 ギルバート・アデア著 ハヤカワ・ミステリ

STORY:1935年イギリスのダートムア。雪でフォークス大佐邸に閉じこめられた様々な人々。ゴシップ記者が全員の秘密を握っていることがわかった翌朝、屋根裏で記者が殺される。部屋は密室状態だった。トラブショウ元警部が捜査に乗り出すが・・・

☆☆☆☆アガサ・クリスティーへのオマージュ作品。クリスティの大ファンとしては読まないわけにはいかない。

題名からしてうれしいじゃありませんか。『アクロイド殺し』のもじりになっているのだ。
設定もしかり。吹雪に閉じこめられるというのは、『ねずみとり』などを彷彿とさせる。その中での密室殺人・・・しかも皆から憎まれていた人物が殺される、とくれば、クリスティファンとしては期待せざるをえない。吹雪で閉じこめられるだけでなく、こういうシチュエーションはよくクリスティが書いていたので・・・
イヴァドニ・マウントという女流推理作家が出てくるのだが、これまたクリスティ作品に出てくるアリアドニ・オリヴァに名前だけでなく、性格もちょっと似ている気が。

という具合に、クリスティファンならにやにやクスクスしてしまう場面の連続で、とにかく早く読み進めたくなる本であった。

謎解きは、おや、このヒトがという人物によって行われるのだけど、全員を部屋に集めてというのがまた古風でいいですね。

密室トリックには少々脱力したのだが(このまま終了したら☆は2つくらいだったと思うが)、そのあとに明らかになる真相には、ほーっと感心。これって、クリスティのアクロイドじゃなくてかの有名作品と同じ趣向だ。そして、犯人の動機は、あの作品(季節は同じような・・・)を連想させ・・・
ホントにラストでは、はじめっからだまされていたことに気づいて、思わず前の方をたぐってしまった。このトリックはなかなか見抜けません。

作者はこの後『スタイルズ荘の怪事件』、『そして誰もいなくなった』のオマージュ作品を出版したとのこと。どんどん、翻訳していただきたい。

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