椎名誠『メコン・黄金水道をゆく』
本日の本
book-4 『メコン・黄金水道をゆく』 椎名誠著 集英社文庫
シーナ氏の旅エッセイにはいくつかの種類があるが、これは、なかなか普通では訪れることのないいわゆる辺境の地を旅する種類のもの。ラオス、カンボジア、ベトナムと実に4500キロもメコン川をゆく旅だ。
昨年読んだ『熱中大陸紀行 真昼の星』でも思ったが、おもしろおかしく書いた文章が減って、すっかり落ち着いた感じのエッセイとなっている。赤マントなどの調子で読もうとすると、神妙すぎて違和感を感じそうな気もする(時々シーナ節も登場するけど)。
しかし、あいかわらず、どんな食べ物にも挑戦し、旅の最中どんな大変な目にあっても飄々として切り抜けていく、たくましくワイルドなシーナ氏は健在。なおかつ、そこに住む人々に対する暖かい眼差しはかわらないので、安心して読むことができる旅エッセイ。
実際の旅はホント、大変なんでしょうねぇ。
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