「スリ(掏摸)」
本日の映画
movie-4 「スリ(掏摸)」 Pickpocket 1960年仏
DIR:ロベール・ブレッソン
CAST:ピエール・レマリ、マルタン・ラサール、マリカ・グリーン
STORY:ふとしたきっかけで自分のスリの才能に目覚めたミシェル。逮捕されたが証拠不十分で釈放され、再びスリを行う。やがてだんだんとエスカレートしていき・・・
☆☆☆スリの実態に迫る映画。
初、ロベール・ブレッソン映画である。「抵抗」なんか前々から見たいと思っていたのだが機会がなかった。
この映画は、スリの才能?に目覚めた若者を描く映画で、いやはや、あらゆるスリの手口が紹介される。実にリアル!って感心しちゃあいけないんですけどね。いやでもホントにいろいろな手口があり、不用心にかばんのチャックを開けて歩いちゃいけないなと(笑)。
このリアルさは、出演者に素人を使っているというのもあるし、できるだけ感情を排した演出にもよるかもしれない。
しかし、スリの場面より印象的なのは、虚無的な主人公の生き方である。
誰も信じることができないし、貧しさゆえに屈折し、自分のおかれた境遇はすべて社会のせいだと考える若者。むなしさと哀れさを感じる。
それでも、最後は自分に想いを寄せてくれる女性に心を開いて、希望のあるラストとなっている。まあ、そうでなくては救いのない映画になってしまったところだ。
白黒の画面がいいですね、こういう映画は。
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