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2009/04/24

「ある公爵夫人の生涯」

本日の映画
The Duchess [Music from the Motion Picture]
movie-18 「ある公爵夫人の生涯」 The Duchess  2008年英伊仏

DIR:ソウル・ディブ
CAST:キーラ・ナイトレイ、レイフ・ファインズ、シャーロット・ランプリング、ドミニク・クーパー
STORY:18世紀後半のイギリス。スペンサー家のジョージアナは、名門デヴォンシャー公爵家に嫁ぐが、公爵は世継ぎをもうけることにしか興味がなく、浮気ばかりしていた。孤独感にさいなまれるジョージアナはやがてエリザベスという親友を得るが・・・

☆☆☆ダイアナ元王太子妃の先祖である実在の女性、デヴォンシャー公爵夫人の生涯を描いたドラマ。
印象は昨年観た「ブーリン家の姉妹」と似ている。

名門に嫁いだと喜んだのもつかぬま、夫は世継ぎ誕生だけをひたすら望むだけで、妻に求めるのもそれだけ、愛のない結婚生活を送ることになる主人公ジョージアナ。
世継ぎを産まない限り妻には相続権もないという時代で、自由もなく、がんじがらめの生活を送らねばならない。
昔の貴族の生活がよーくわかったけれど、よく耐えられるものだなと感心。もっとも、それ以外生きる道はなかったわけだけど・・・

それでも、このジョージアナは、この当時としては、進んだ女性だったのかもしれない。
女性には参政権のない時代に政治に大いに興味を持ち、ギャンブルを好み、実に活動的。
彼女のファッションが流行になったというおしゃれも含め、夫から顧みられない寂しさをこういったことで紛らわしていたともいえるが・・・

親友となったエリザベスが住むところがないというので、自分の邸宅に招き入れたことがさらにジョージアナの不幸にしてしまう・・・
いやあ、想像を絶するなあ。夫と妻と愛人が一緒に、それもずっと一緒に暮らすんですからね。
昔はこんなこと普通だったんだろうけど、よく耐えていられたなと。

しかし、そこがジョージアナの偉大なところで、何があっても毅然と生きていくのだ。
自身のスキャンダルも乗り越え、夫との確執も乗り越え、強く生きていく。

けれど、この時代、女性だけが大変だったというわけでもなさそうだ。公爵も世継ぎをもうけなければならないという義務感にとらわれ、貴族という地位にしばられ、感情すら失ってしまっているのである。ま、庶民には今ひとつわからない感覚なのだけど・・・

それまで、やさしい言葉を一切かけたことのなかった公爵が、ラストで不器用ながら自分の想いをジョージアナに伝え、夫妻が一瞬手をにぎりあう場面でようやくホッとすることができたのだった。

主演は、ちょっとやせすぎが心配なキーラ・ナイトレイ。まだまだ若いが、貫禄すら感じさせる。コスチュームもの似合うなあ。
さらに貫禄なのは、母親役のS・ランプリング。さすがだ。
公爵にはR・ファインズ。能面のような顔(を作って・・・)でこれがまたうまいなあ。

アカデミー賞衣装デザイン賞獲得の衣装をはじめとして、お屋敷、調度など、とにかく豪華で、目の保養になりました。

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