「ノーカントリー」
本日の映画
movie-41 「ノーカントリー」 No Country For Old Men 2008年米
DIR:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
CAST:トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン、ウディ・ハレルソン、ケリー・マクドナルド、テス・ハーパー、バリー・コービン
STORY:テキサスの荒野で麻薬がらみの大金を発見したベトナム帰還兵のモス。金を持ち帰ったモスは殺し屋シガーに追われる身となる。保安官ベルも事件を知り、モスを追うのだが・・・
☆☆☆コーマック・マッカーシー原作のバイオレンスドラマ。スイス旅行の帰りの飛行機で鑑賞。
久々に、コーエン兄弟らしい映画だった。やっぱり、この2人、ブラックなユーモアたっぷりのフィルム・ノワール的な映画で真価を発揮する。
モスは、危険は十分承知していただろうに、やばい大金を持ち逃げし、結果的に自分を追いつめていくことになる。さすが、帰還兵だけあって、あらゆる手段を講じて、妻を逃がし、自分も逃げるが、不気味な殺し屋シガーにはかなわない。
このシガーが、ホント、不気味で怖い。その行動は、彼なりのルールで貫かれているのだけど、容赦ない殺しとの対比で、ブラックなユーモアが生み出される。
演じるのは、この役でアカデミー賞助演男優賞を獲得した、ハビエル・バルデム。ともかく強烈。一度見たら忘れないというか。
納得の存在感だけれど、モスを演じたJ・ブローリンもよい。若い頃はたいした役者ではないと思っていたけれど、ここにきてどんどん存在感がましてきた。これからも期待大だ。ジョーンズ氏も、もちろんうまいのだけど、今回はこの2人の影に隠れた感じだ。
保安官は、結局目的を達することができず、殺し屋シガーもまた・・・
決してカタルシスを得られるラストではない。むしろ不条理な世の中をひしひしと感じる結末なのだが、荒涼としたテキサスの風景とともに、心に残るラストとなった。
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ノーカントリー見ました。自分以外の映画の感想をよく読むと勉強になります。
投稿: Obeone | 2009/09/10 16:11
はじめまして。ご訪問ありがとうございます。
映画の感想は人それぞれなので、他の方のを読むと、なるほどこういう見方もあるのか、と感心することも多いですね。いろいろな視点があっておもしろいです。
投稿: nocci | 2009/09/10 23:54
ブログ訪問コメントありがとうございます!
シガーはユーモアも含めて悪の象徴ですよね。
また遊びに来ます!
投稿: Obeone | 2009/09/11 00:44
シガーは、ホントに強烈でしたね。
夢に出そうです・・・
投稿: nocci | 2009/09/13 00:25