ポール・アルテ『第四の扉』
本日の本
book-39 『第四の扉』 ポール・アルテ著 ハヤカワ・ミステリ
STORY:オックスフォード近郊のダーンリー家には、数年前密室で死体となって発見された夫人の幽霊が出るという噂があった。その家に霊能力があるというラティマー夫妻が越して以来、不思議な事件が次々と起こる。隣人の作家アーサーが襲われ息子のヘンリーが失踪。そして、また密室殺人が・・・
☆☆☆☆フランスのディィスン・カーと称される、ポール・アルテ。
黄金期のミステリの大ファンのワタクシとしては、カーと聞けば読まざるをえない。
確かに、この怪奇趣味、密室、不可能犯罪とくれば、カーですね。ただし、カーほどにはけれん味はない。
しかし、とても凝った作品だ。
何重構造にもなったミステリで(あんまり書くとネタバレになるので苦しいところ)、最終章にいたって、へーと感心。ところが、ラスト1ページでさらにがくんと落とされる。まさか、こんな結末とは!いやー驚きだ。
謎解き役は最後の最後に出てくるツイスト博士という人物なのだけど、まさに、この小説自体がツイストなんである。
ある人物の死の真相は、やや偶然にたよりすぎ?という気もしないではないのだが、そんなことは気にならなくなってしまう結末。
カーにはない展開で、他の作品も読んでみたくなりました。
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