ポール・アルテ『死が招く』
本日の本
book-40 『死が招く』 ポール・アルテ著 ハヤカワ・ミステリ
STORY:内側から錠のかかった部屋でミステリ作家が鍋に顔と手を突っ込み、銃をにぎりしめて死んでいた。テーブルの上の料理はできたてなのに、遺体は死後24時間が経過していた。この状況は作家が構想中だった小説にそっくりで・・・
☆☆☆ツイスト博士シリーズ第2弾。
短いストーリーの中にいろいろな要素が盛り込まれていて、めまぐるしい展開。
密室、幽霊、奇怪な死に様、双子の兄弟、精神に異常をきたした娘、奇術師・・・
またまたカーっぽいお膳立てである。
二転三転(犯人が、というだけでなく○○○も)、実際の事件、構想中の小説、過去の事件と、行きつ戻りつ、いやうまいなあ。
トリックもおもしろかったのだが、なんのために犯人が密室を作り出したかという謎には感心。
と、一気に読んだのだけれど、実はワタクシ、犯人がわかったしまったんですね。主たる動機もなんとなく・・・
最初の方にも怪しげな行動が出てくるけれど、半ばすぎでこれは?!と確信。
いやでも、たとえこの人が犯人だ!と感じたとしても、決して興をそがれることはなく、最後までおもしろく読むことができた。
やせの大食いの博士もなかなかいいキャラだが(1作目ではあまりどんな人物かわからなかった)、とぼけた雰囲気の相棒?ハースト警部もナイス。3作目以降も登場してくれるだろうか・・・
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