ポール・アルテ『赤髯王の呪い』
本日の本
book-44 『赤髯王の呪い』 ポール・アルテ著 ハヤカワ・ミステリ
STORY:1948年のロンドン。エチエンヌは故郷アルザスの兄からの手紙に驚愕。16年前に赤髯王ごっこの呪いか、殺されたドイツ人少女の姿を見かけたというのだ。友人に紹介されたツイスト博士に相談するエチエンヌだったが・・・
☆☆☆中編「赤髯王の呪い」他短編3本をおさめる。
この中編は、『第四の扉』が刊行される前に友人が50部ほど私家版として作ったくれたものらしいが、これがなかなかよい。
ここでもしっかり不可能犯罪的要素、オカルティックな雰囲気は健在。
のみならず、アルザスの悲しい歴史を盛り込み、余韻を残すラスト。哀愁を帯びた作品。
そして、3つの短編のうち、「死者は真夜中に踊る」が一番いい出来かな。
あの人物が、そんなことのために殺されたとは・・・なんてことでしょう。
「ローレライの呼び声」のトリックは、なるほどと思ったけれど、「コニャック殺人事件」のトリックはかなりちからわざ的というか、ある意味大胆ですね。
うー、この人の本は、何を書いてもネタバレになっちゃいそうで、感想書くの大変です・・・
長編だけでなく短編もおもしろいので、是非もっと書いてほしいなあ。
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