「インサイド・マン」
本日の映画
movie-56 「インサイド・マン」 Inside Man 2006年米
DIR:スパイク・リー
CAST:デンゼル・ワシントン、クライヴ・オーウェン、ジョディ・フォスター、クリストファー・プラマー。ウィレム・デフォー、キウェテル・イジョフォー
STORY:ラッセル率いる4人の強盗たちが、白昼マンハッタン信託銀行を襲い、行員と客を人質に立てこもった。ニューヨーク市警のフレイジャーらが現場に急行する一方、銀行の会長アーサーは有能な女性弁護士マデリーンにある任務を託し、銀行へと向かわせる。犯人達は周到な計画を実行、警察とのにらみ合いが続くが・・・
☆☆☆ひねりの入ったサスペンス。
ワタクシは、泥棒映画が大好き。「おしゃれ泥棒」、「黄金の七人」、「掘った、奪った、逃げた」などなど・・・
これもそうした映画の一種かなあと見始めたら、どうも違う。もっと複雑な映画だった。
犯人の行動が何を意味するのか、犯人の本当の目的は何かがはじめのうちはわからず、早く先を見たいという思いにかられる。
そして、立てこもりの場面と、人質が解放された後の尋問の場面が交互にさしはさまれ、見ているこちらは混乱させられる。
頭のいい犯人たちは、人質たちに自分とまったく同じ格好させていて、誰が犯人だか人質だかがわからないのである。なかなかのアイディア!
さらに、犯人対警察という単純な構図でなくしているのは、銀行の会長から極秘の任務をおおせつかった弁護士が、市長に圧力をかけて介入してくるということ。この弁護士がまたくせ者。
犯人と警察と弁護士と、三者の思惑が入り乱れ・・・次第に誰が善で誰が悪かがわからなくなってくるところがおもしろい。
なるほどねー、ラスト近くになって、やっと題名の意味がわかりました。
途中、犯人達が何やってんだろ?という場面があったのだけど、そういうことか~
なかなかイキな犯人であります。
D・ワシントンは、正義漢だが後ろめたいところもある刑事、J・フォスターは得意な有能だが少々傲慢な女性弁護士、とオスカー俳優達はうまいのはもちろんなのだが、犯人役のC・オーウェンがなかなかいいですね。
J・フォスターは出番は少なめだけど、ますます貫禄が出てきたなあ。
そして、ワタクシにとってはトラップ大佐(「サウンド・オブ・ミュージック」)のイメージがずっとあるC・プラマー、も最近はこうした大物ならこの人!という感じになってきた。
監督はスパイク・リー。ワタクシにとってこの監督は、決して娯楽作のイメージじゃないのだけれど、これは一級の娯楽作品にできあがっていたと思う。ただし、この監督らしく、人種問題はかいま見えましたが。そこがなくなっちゃあ、S・リーじゃないですもんね。
役者も充実していて、おもしろかったのだが、若干後半がダレ気味になったところが残念といえば残念。
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