「ブラインドネス」
本日の映画
movie-54 「ブラインドネス」 Blindness 2008年 日加ブラジル
DIR:フェルナンド・メイレレス
CAST:ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、アリシー・ブラガ、伊勢谷友介、木村佳乃、モーリー・チェイキン、ダニー・グローヴァー、ガエル・ガルシア・ベルナル
STORY:車の運転中に突如視力を失った日本人男性。彼と接触した人々が次々と失明し、患者は急速に増えていく。政府は発症者をかつて精神病院だった病棟に強制収容、最初の患者を診た医者とともに、失明したふりをしてその妻も収容される。
☆☆☆ポルトガルのノーベル賞作家サラマーゴの小説『白い闇』の映画化。
決して気持ちのいい映画ではない。むしろ、見るのが途中で嫌になりそうだったし、もう一度観たい映画ではない(少なくとも今は)。
なぜ、人々は次々に失明したのかについては何も語られず、隔離された人たちの物語が展開されていくのだが、この病院での場面がつらい。
突如失明し、隔離された人々が、極限状態の中で次第に人間性を失っていく。
医者とその妻の入った第一病棟では、あきらめる人、自暴自棄になる人、怒る人、抜け殻のようになる人・・・いろいろな人の典型を見るようだが、非常に落ち着いていて理知的な医者でさえ、あやまちを犯してしまう。
そのうち、第3病棟では銃を隠し持っていた男が、独裁者となり、他の病棟も支配するようになっていく。男の要求は次第にエスカレート、それでも食糧をもらうべく絶対服従する人たち。やがて、ただ一人目の見えていた医者の妻をリーダーに反旗を翻す・・・
なにやら、現実の人間社会の縮図のようで、人間の本性ってこんなかと思うと、悲しい。
それでも希望はあるもので、ラストは・・・
ただ、この先、本当はどうなるかはわからないのだ。希望があるといっても、決して安心はできないラストである。
寓話的なお話で、すべてが理解できたとは言い難いのだが(宗教的意味合いもあるのだろうけれど)、見終わってもいろいろと考えさせられる映画だった。
J・ムーアはほぼ素で熱演。M・ラファロや、D・グローヴァー(懐かしい!)もいいが、そして強烈な悪役のG・G・ベルナルが印象的。
日本人俳優二人も堂々としてましたね。
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