アン・クリーヴス『白夜に惑う夏』
本日の本
book-2 『白夜に惑う夏』 アン・クリーヴス著 創元推理文庫
STORY:シェットランドに白夜の夏がやってきた。ペレス警部が絵画展で出会った男が、翌日、道化師の仮面をかぶり、首つり死体となって発見される。再び本土からきたテイラー警部と組んで捜査にあたるペレスがたどりついた真相は・・・
☆☆☆シェットランド協奏曲第2弾。
前作がよかったので2作目も読んでた。
今度は季節が夏。前作では暗い冬だったが、うってかわって今回は白夜の夏。一晩中太陽が出ているせいか、人々は一種躁状態。
観光客もたくさん訪れ、にぎわうシェットランド島に再び、殺人事件が・・・
前作は決して読みやすくはないなと思ったが、慣れたせいかスイスイと読み進むことができた。結構な長さですけどね。
登場人物に慣れたということもあるかもしれないが、すーっと物語に入って行けた。
細かい書き込みがされており、ペレス警部の丁寧な捜査をゆっくり追っていくと、じわじわと真相が浮き上がってくるという次第。この過程がよい。
じっくり読み進めると、心にずしりとくる結末が待っているミステリーである。
最後まで犯人はわからなかったが、悲しいなあ。
しかし、このミステリーは決して犯人捜しだけを目的にしているわけではなくて、厳しい自然の中、狭い世界に生きる人々の生き様を描くこともまた重要な要素。
次作が楽しみだ。
そして、ペレスと前作から登場しているフランとの仲がどうなるかも・・・
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