【小村雪岱とその時代展】
art-6 【小村雪岱とその時代展】 埼玉県立近代美術館
新聞に載っていた「青柳」という絵が気になって行ってみた展覧会。
この美術館、はじめていったのだが、案外広い。北浦和の駅からすぐである。
小村雪岱という画家、実は今まで知らなかった。
挿絵、装幀、舞台美術などで戦前に活躍した日本画家とのことだが、今では残念ながら知っている人は少ないのではないだろうか。
第1章 粋でモダンな東京で-資生堂意匠部時代
30歳を過ぎた頃、出来たばかりの資生堂に入社。
絵一筋でなくて、デザインの分野にもかかわったりしたことが、挿絵や装幀画にいかされているのだと思う。
資生堂ロゴ作成にもかかわったらしい。
第2章 『日本橋』-装幀家・小村雪岱の誕生
泉鏡花との出会いが、雪岱のその後の方向を位置づけたともいえるようだ。
雪岱の装幀を気に入った鏡花はその後、もっぱら雪岱に装幀を頼むことになる。
ここでは、雪岱が手がけた本の数々が展示されているが、どれも美しい。まさに小さな芸術品で、読むためというより飾っておくための本。
第3章 白と黒の美学-「雪岱調」、挿絵界に新風
当時、雪岱を有名にしたのは、なんといっても挿絵らしい。
朝日新聞に連載した「おせん」の挿絵が評判となり、新聞の部数もぐんとのびたというからすごい。
構図が素晴らしい。パッと目に飛び込んでくる。線はシンプルなのだけど、非常にインパクトがある。これも一種、デザイン的といえる。
この章の中に、ワタクシの見たかった「青柳」が。「落葉」、「雪の朝」とともに並んでおり(なぜ夏はないんでしょう?)、これがどれもよいのだ。
どれも、静かで凛として・・・この3枚、どれも人は登場しないのだけど、人が描かれた絵も、にぎやかさはないんですね。この静けさが心地よいのかも。
第4章 檜舞台の立役者-名優の信頼をあつめて
舞台美術もたくさん手がけた雪岱。
どれもシンプルだけれど、役者さんがたつと映える舞台だったようだ。
絵にも共通するシンプルさ。「青柳」などの絵も、舞台装置的なんですね。
なかなか充実した展覧会でした。
(14日まで)
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