「Dr.パルナサスの鏡」
本日の映画
movie-11 「Dr.パルナサスの鏡」 The Imaginarium Of Doctor Parnassus 2009年英加
DIR:テリー・ギリアム
CAST:ヒース・レジャー、クリストファー・プラマー、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレル、リリー・コール、アンドリュー・ガーフィールド、トム・ウェイツ
STORY:パルナサス博士の旅芸人一座の出し物は、心の中の欲望を鏡の向こうに創り出すもの。かつて悪魔と不死と引き替えに娘が16歳になったら差し出すという契約を結んだ博士は、数日で娘の誕生日がくることで怯えていた。娘ヴァレンティナは、瀕死の男トニーを救い出すが・・・
☆☆☆ギリアムワールド全開のファンタジー。
ワタクシ、決してテリー・ギリアムが得意なわけではない。
今まで一番おもしろかったのは「12モンキーズ」、一番よく出来ていると思ったのは「未来世紀ブラジル」。結構この監督、見る人を選ぶと思うのだ。
この映画もしかり。おそらく、映画をあまり観ない方には、難しいのではないかと思う。
ワタクシも当初は観る予定はなかったのだが、H・レジャーの遺作だということと、レジャー亡き後、親友のJ・デップ、J・ロウ、C・ファレルというくせ者俳優達がかわって出演したということで、そのキャストの豪華さに惹かれて観てみたのだった。
いや、これよく創ったなあと思う。
H・レジャーが撮影途中で急死してしまい、頓挫しそうになったところ、デップ、ロウ、ファレルが出演することになりなんとか完成にこぎ着けたという曰く付きの映画。
でも、まるではじめから3人の出演が決まっていたかのような自然さなのだ。アイディアがよかったんですね。鏡の向こうに行くと顔がかわってしまうとすることで穴を埋めるという・・・
むしろ、4人1役が結果的にはよかったのかなと思う。
飄々としたデップ、すました感じのロウ、悪党っぽいファレル、そして悩めるレジャー。
この演じ分けがおもしろかった。
ただ、ストーリー的には少々わかりにくい、というかまとまりにかけた嫌いはある。
ギリアムっぽいとも言えるけれど、わかりにくい。何通りにも解釈できて、後から考えさせられるというところは、楽しめるのだけど・・・
鏡の中の世界はカラフルだが、最先端のCGを使っているわけではない。これがまたいい雰囲気。この鏡の中の世界が、現実の色あせた感じと対照的で美しい。
見終わった瞬間は、うーんと考え込んでしまったのだが、じわじわと不思議なおもしろさのある映画だなと思ったのだった。
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こんばんはー
私はヒース・レジャーの遺作っていうよりは
テリー・ギリアムの新作ってことでちょっと興味を持ってます。
ただ、ギリアムの作品はそんなに面白いかっていわれれば、そんなでも無かったりしますが(笑)
個人的にはやっぱり「ブラジル」が一番好きですね。
投稿: ONE OF THE BROKEN | 2010/02/15 00:22
こんばんは。
テリー・ギリアムの映画って、おもしろいというより奇妙な感じなんですね。この感じを楽しめるかどうかがポイント。苦手な人も多いかもしれません。私は、あんまり得意ではないけれど、やっぱり観てしまうという(笑)。
「未来世紀ブラジル」は一種カルトムービー的になってますけれど、これは傑作だと思います。
投稿: nocci | 2010/02/15 00:31