ヘレン・マクロイ『家蝿とカナリア』
本日の本
book-16 『家蝿とカナリア』 ヘレン・マクロイ著 創元推理文庫
STORY:女優ウォンダの主演する舞台の初日、瀕死の男を演じた男が何者かに刺殺される。事件の起きる前、劇場近辺で不審な出来事が相次いでいた。たまたま居合わせたウィリング博士は・・・
☆☆☆精神科医ベイジル・ウィリング博士が探偵役をつとめるシリーズ。
日本版のホンの題名からして挑戦的!
蝿とカナリアというヒントが出ているのである。
実際、本の中でも、何も盗らずにカナリアを解放していった泥棒、狂気の柄にたかる蝿というヒントははじめから出ている。
そして、人数の限定された舞台上で殺人なので、容疑者はわずか3人(+1人)という少なさ。
これなら、すぐにわかるだろう・・・
と思いきやそうでもないのだ。
複雑な人間関係もあるのだが、めくらましにやられてしまう。
わかってみれば、一つの手がかりは、確かに犯人を指し示している。ついつい複雑に考えすぎてしまったのだ。単純に考えればよかったんである。
もう一つの手がかりは、ワタクシの知識不足で、提示されていてもこれはわからなかったが、なるほどね。
実にシンプルだったのだが、すっかりだまされてしまった。
ウィリング博士、この本ではまるでホームズ!ぱっと見ただけで、出身地、仕事、性質などを言い当てるんである。こういうキャラでしたっけ?
他の数冊のウィリング博士ものも是非読んでみよう。
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