【ゴッホ展】
art-19 【ゴッホ展】 国立新美術館
国立新美術館で開催中の「没後120年ゴッホ展」へ。
3年前オランダを旅行した際、アムステルダムのゴッホ美術館をじっくり見てきたところなので、パスしようかなと思ったのだけど、クレラー=ミュラー美術館所蔵の作品もたくさんきていると聞いたので行ってみることに。
入場すると、人、人、人。
こんな混雑した展覧会は久々。
一気にテンションが下がってしまったが、気合いを入れて見ることに。
Ⅰ.伝統-ファン・ゴッホに対する最初期の影響
このパートでのゴッホの作品は2つ。
はじめ、ゴッホはバルビゾン派や写実主義、ハーグ派の影響を受けていたという。
確かに、「秋のポプラ並木」はバルビゾンな感じである。ゴッホ美術館に行った際も、バルビゾン派っぽい作品が結構あったのを記憶している。
もう1作品の「曇り空の下の積み藁」は最晩年の作品だが、数年の間の進展をあらわすための展示らしい。
Ⅱ.若き芸術家の誕生
素描やリトグラフなど。
ゴッホは独学で絵を学び、素描を模写することにより練習を重ねたという。
ホルバインの模写など、もとと比較すると決してうまいとは言えないし、うまい絵だなと思うとゴッホの作品ではない(笑)ということもあったりするのだが、試行錯誤を繰り返したという様子はよくわかる。
Ⅲ.色彩理論と人体の研究-ニューネン
ニューネンに移住した後の作品など。
ここであの「じゃがいもを食べる人々」がうまれたらしい。
お、この展覧会にもきてる!と思ったら、この作品のイメージを友人たちに伝えるために作ったリトグラフの方だった。うーん、残念。
「籠いっぱいのじゃがいも」「ビールジョッキ」など土臭さを感じさせる絵だが、力強くてよい。
Ⅳ.パリのモダニズム
パリに出てきたゴッホ。
ここで一気に絵が明るくなる。劇的な変化。
印象派の影響が見て取れる作品もあり(「セーヌの岸辺」他数点はモネっぽい。この展覧会でもモネと並んでいた)、そして、スーラやシニャックなどの点描の影響も出てくる。
それが「自画像」などだ。
Ⅴ.真のモダン・アーティストの誕生-アルル
いよいよ、ゴッホらしいゴッホの絵の登場。
ゴッホの黄色が多用されるようになってくる。
「アルルの寝室」の立体的再現はおもしろい企画。思ったより広い。
ゴッホ的「種まく人」、「ゴーギャンの椅子」、「あおむけの蟹」など印象的な絵がたくさんで、ゴッホもいいなあと思う。
Ⅵ.さらなる探求と様式の展開-サン=レミとオーヴェール=シュル=オワーズ
最晩年、サン=レミで療養中に描いた絵と、オーヴェール=シュル=オワーズで亡くなる直前に描いた絵の数々。
色彩の鮮やかさはアルルの延長上にあり、それにあのうねったような特徴的な筆遣いが加わる。インパクトがすごいが、ずっと見ていると何か不安になるような絵。
一番有名なのは「アイリス」だと思うが、初めて見た療養院時代の絵が印象的(「サン=レミの療養院の庭」など)。
ゴッホの絵の変遷がよくわかる展示ですばらしかったです。
「ひまわり」は一つもないけれど(と言っている人たちがいた(苦笑))、是非!
蛇足:一度やってみたいと思っていたガチャガチャをやってみました。ジグゾーパズルですが、7種のうちどれがはいってるかわかりません。入っていたピースからはどうやら「アルルの寝室」の模様・・・
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