D・M・ディヴァイン『災厄の紳士』
本日の本
book-57 『災厄の紳士』 D・M・ディヴァイン著 創元推理文庫
STORY:ジゴロのネヴィルは、婚約者にふられたばかりのアルマに巧みに近づく。首尾よくアルマにとりいったネヴィルは、家に招かれるが、その先に災厄が待ち受けていた。
☆☆☆☆ディヴァインの比較的後期に発表されたミステリー。
『悪魔はすぐそこに』がおもしろかったので引き続いてこれを。
『悪魔はすぐそこに』とはがらりと雰囲気が違う。
「悪者」のネヴィルがいかにして、傷心のアルマに取り入り、アルマの父親で全盛期を過ぎてしまった元流行作家のヴァランスをはじめとした家族が住む邸宅に招かれ、いかにしてお金を搾り取ったかが語られる。
ところが、そのネヴィルが失踪してから、二人の探偵役が登場。家庭に悩むボグ首席警部と、アルマの姉のサラである。
倒叙物からフーダニット物への変換。
作者はフーダニットにこだわっていたと聞いていたので、おや?これはと思ったのだが、ちゃんとフーダニット物に落ち着いたんである。
そして感心したのは、前半の構成がちゃんと理由があったということ。
ころりとだまされてしまった。またまたやられたな・・・
うまいです。
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