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2011/02/10

早川書房編集部編『天外消失』

本日の本
天外消失 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1819)
book-6 『天外消失』 早川書房編集部編 ハヤカワ・ミステリ

STORY:汚職判事を尾行中だった刑事が、電話ボックスで見失ってしまう。そこにはぶら下がった受話器だけが・・
表題作他全14作品。

☆☆☆世界ミステリ全集の最終巻『37の短編』の中から14編を選んで編集した短編集。
37編のうち他にお目にかかれないものばかりを集めたということらしい。

知った名前は、バロウズ、ハリディ、シムノン、アンブラー、F・ブラウン、ロースン、J・D・マクドナルド。半分は知ってましたね。まあしかし、今となっては古典といってもいいくらいの作品ばかり。

これがまた毛色の違う作品ばかりで、いろいろな楽しさ。玉手箱のよう。
中には、これってミステリの範疇に入るの?と思わなくもないものもあるけれど、ミステリってのは守備範囲が広いんですね。

以下は気に入った作品。

「死刑前夜」
一番気に入った作品。読後感がいい。ほろりとさせられる作品。

「この手で人を殺してから」
犯人の語りで淡々と語られる犯罪。さめた視点がぞーっとさせられる。
ちょっと気持ち悪い。

「ラウディ氏の短い休暇」
これもまたぞーっとする結末。
短いがよくできている。

逆にうーむと思った作品。

「女か虎か」
結末を読者にゆだねるのはどうかと・・・

いやしかし、こういった作品が発掘されるのはうれしいことですね。
このあと、編集された『51番目の密室』も読んでみますか。


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