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2011/03/07

「愛する時と死する時」

本日の映画
A Time to Love and a Time to Die (Import , All Regions), Douglas Sirk
movie-11 「愛する時と死する時」  A Time To Love And A Time To Die 1958年米

DIR:ダグラス・サーク
CAST:ジョン・ギャヴィン、リゼロッテ・プルファー、キーナン・ウィン、クラウス・キンスキー、ジム・ハットン
STORY:1944年早春のロシア戦線から一時帰還したドイツ兵エルンストは廃墟と化した故郷の姿にショックを受ける。再会した幼なじみのエリザベートの父親もエルンストの両親と同様行方不明。やがて結婚した2人だったが、彼が戦場に戻る日がやってくる。

☆☆☆先日、NHKBSでやっていたダグラス・サーク監督特集の中の1作品。

ダグラス・カーク監督といえば、「風と共に散る」が有名(というか、ワタクシこれしか知らなかった・・・)。
しかし、どれもメロドラマみたいで、あまあまな作品かなと思いつつ、見始めた。

確かに、メロドラマではあるけれど、一方反戦的な意味合いも持つ映画である。
『西部戦線異状なし』の作者レマルクの原作なんである。
レマルク本人も、ユダヤ人の逃亡を助ける主人公の恩師役で出演、まあウマイとは言えないけれど、思い入れがあったんでしょうね。

戦争の空しさ、怖さがじわじわと伝わってくる作品ではあるが、主人公の恋愛ドラマも交えつつなので、見やすい映画である。恋愛ドラマの方に比重が傾きすぎの時間もあるものの、よりいっそう切ない気分にさせられる。

民間人を銃殺刑にすることに耐えられず自ら命をたってしまう兵士、権力におもねて嫌悪すべき人物に成り下がってしまった昔の友人、戦争の狂気にとらわれる軍人・・・
一方でユダヤ人を助けたため収容所送りにされる人、主人公たちのデートを応援する気のいい兵士、家を失ったエリザベートをあたたかく迎える下宿先の女性・・・
いろいろな人物を描く中で、ストーリーは進んでいくけれど、結末はやはり・・・

あっけないとも言えるラストだが、涙がとまらない。

主人公のJ・ギャビンは「サイコ」でしか知らなかったが(80年代レーガン政権下ではメキシコ大使をつとめていたので政治家に転身したのだろうか)、あまーいマスクでこうしたメロドラマにはうってつけ。
懐かしいと思ったのは、自殺してしまう役を演じたジム・ハットン。ティモシー・ハットンのお父さんですね。これまたお父さんネタで(笑)、クラウス・キンスキーも懐かしい(ナスターシャ・キンスキーのお父さん)。この頃から目がぎょろりとしていて怖い。

戦争映画はあまり得意ではないのだけれど、これはいい映画だった。
公開当時は、終戦後10年ちょっと、敵国だったドイツを描いた映画ということで、あまり評価もされなかったようだが、なかなかのもの。

見る前は気が進まなかったのが、予想以上によくて拾いものでした。

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