【レンブラント 光の探求/闇の誘惑展】
art-9 【レンブラント 光の探求/闇の誘惑展】 国立西洋美術館
東日本大震災の起きた日に前売りを買っていた展覧会。
土曜の仕事帰りに行ってきました。
版画展という渋い展覧会なのでそんなに人はいないと思いきや・・・
すごい人、人、人。なんか不思議~
第1章 黒い版画:レンブラントと黒の諧調表現
夜景や暗い室内を版画にしたレンブラント他の作品は黒い版画と言われたという。
はじめはレンブラント以外の版画作品が続く。
そして、レンブラントの黒い版画。
版画展とはいっても油彩もいくつか展示。やっぱり自画像ですね。レンブラント、生涯でいくつの自画像を描いたんだろう。
左からの図が多いように思うけれど、今回展示してあった中で、全身像が「東洋風の衣装をまとう自画像」。レンブラント、背の低い人だったのかな?
巻き貝を描いた「貝殻」が精巧でよかったが、意外といいなあと思ったのが風景画の版画。よくよく見るととっても細かい。
第2章 淡い色の紙:レンブラントの和紙刷り版画
レンブラントは版画を何度も修正をしたそうで、同じ作品でもステートと呼ばれるいろいろなバージョンがある。そしてまた、いろいろな紙で試したそう。
その中で驚いたのが、和紙の作品がたくさんあったこと。あの時代、遠くオランダまで和紙がいっていたとは!
和紙に刷るとなんか柔らかな感じになるんですね。
ステートの違い、紙の違いによって、同じ作品が全然違って見えるのがおもしろい。
レンブラント、意外に実験的な人だったのか・・・
第3章 とっても変わった技法:レンブラントのキアロスクーロ
キアロスクーロとは明暗の対比のことだそう。
確かに、レンブラントの作品は光と闇の対比からできている。
このコーナーにあったのが、ポスター、チケットにある「石の手摺りにもたれる自画像」。思ったより小さな版画だった。よくよく見るとかなり細かい。
油彩もいくつかあって、一番印象に残ったのが「書斎のミネルヴァ」。ミネルヴァが、「夜警」に描かれた少女に似ているのだ。
めずらしや、銅版も展示されていたのが「放蕩息子の帰還」。こういう展示はおもしろい。
第4章 「3本の十字架」と「エッケ・ホモ」
傑作版画とされている2つの作品。
「3本の十字架」は5つのステート、「エッケ・ホモ」は8つのステートがあるそうだが、前者は4つ、後者は5つのステートを見ることができた。
「3本の十字架」では、第3ステートまではキリストが死ぬ瞬間か直後、それ以後は死ぬ直前を表しているそうで、そう思ってみると、背景も異なっている。
「エッケ・ホモ」もステートによってあきらかに違う。一番の違いはステートが進むと群衆がなくなりシンプルになっていること。
版画の光と闇の対比がよくわかった展覧会でした。
帰りに上野の桜見物。
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