キャロル・オコンネル『氷の天使』
本日の本
book-19 『氷の天使』 キャロル・オコンネル著 創元推理文庫
STORY:NY市警の巡査部長キャシー・マロリー。天才的な頭脳と美貌の持ち主である彼女は、老婦人連続殺人事件を追っていた養父マーコヴィッツ刑事を殺され、独自の捜査をはじめる。
☆☆☆キャシー・マロリーシリーズ第1弾。
同じ作者の『クリスマスに少女は還る』がすばらしい作品だったので、こちらのシリーズも読んでみることに。
なんといっても特徴的なのが主人公のキャラクター。
天才的な頭脳(主にハッキングにその能力がいかされる)と際だった美貌(目立ちすぎて尾行できないほど)というと完璧かと思いきや、子供の頃ストリート生活をしていたせいで、盗みに対する罪悪感がないという特異なキャラ。
しかも、本人は全然興味がないが、まわりの男性からはモテモテ。
なんて、出来すぎでしょう。一瞬ハーレクインかと思うくらい。
しかし、基本はダークな物語で明るさはない。殺しの場面などは結構目を背けたくなる。
少なくともこの第一作はあまりカタルシスがえられるものではなかった。
ミステリーではあるけれど、どちらかというと、主人公と主人公をとりまく人間の描写に焦点があるように思う。
シリーズが進むにつれて、マロリーの生い立ちが明らかにされていくのだろう。
それが楽しみだ。
氷の天使 (創元推理文庫)
キャロル オコンネル Carol O’Connell
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