【シュルレアリスム展】
art-10 【シュルレアリスム展】 国立新美術館
先日半日休みをとって、もうすぐ終わってしまうシュルレアリスム展に行って参りました。
ポンピドゥセンター所蔵の作品で構成された展覧会。
ポンピドゥセンターは以前行った際、午後3時頃に到着したため、時間がなくなってしまい、最後は駆け足になってしまって残念な思いをしたところ・・・
その穴埋めというわけではなくて、ポスターのマグリットの絵に惹かれて行ってみたのである。
Ⅰ ダダからシュルレアリスムへ
展覧会は、シュルレアリスムの元になったダダからはじまる。ダダイズムとは既成の概念を根底から覆す運動とのこと(聞いたことはもちろんあるのだけど、正確な定義は知らず。というか、聞いても完璧には理解できず・・・)。
マックス・エルンストの「ユピュ皇帝」などはちょっとユーモラスでおもしろいと思ったが、うれしかったのはキリコの絵が3枚あったこと。特徴的な黄色が目立つ作品はなかったものの、まさにキリコの世界。寂しさも感じるが神秘的でもある。
Ⅱ ある宣言からもうひとつの宣言へ
時代はシュルレアリスムへ。
ここではまず、ルネ・クレール監督のトーキー映画「眠るパリ」を上映。あいにくと35分ほどあって全部は見られなかったけれど、結構おもしろい映画だったような。今度全編見てみよう。
アンドレ・マッソンの作品が目立っていたけれど、ルネ・マグリットが見られたのがうれしい。ポスターになっていた「秘密の分身」もこちらに。
あと、若い頃のミロが見られたのも収穫。晩年のミロの作品は全然いいとは思わないけれど、若い頃の作品はまだ理解できる。色も鮮やかで美しい。
マッソンとミロの自動記述もおもしろい試みだが、紙を折りたたんで、複数の画家が1枚の作品を作りあげる「甘美な死骸」という試みもとってもユニーク。
Ⅲ 不穏な時代
偏執狂的作品がたくさん。
大好きな作品、マグリットの「赤いモデル」は相変わらずいいのだけれど、ダリが数点あったのもうれしい。「ピアノに出現したレーニンの六つの幻影」、これ、とっても気に入った。
マン・レイなどの写真作品はあまり興味がないのでじっくりと見なかったが、ちょっと興味深かったのは、シュルレアリスムを創始した文学者、アンドレ・ブルトンのアトリエ(書斎?)を写した記録映画。これも時間の関係で全部見られなかったのが残念。
ルイス・ブニュエルの映画も上映していたが、あまり好みでないので飛ばす。
Ⅳ 亡命中のシュルレアリスム
ブルトンとマッソンは第二次世界大戦時にニューヨークへ亡命する。前衛画家ポロックなどにも影響を与えたとのこと。
マッソンのブルトンの肖像画がいいですね。
マッソンの線、細いようで力強くてよい。
Ⅴ 最後のきらめき
戦後の作品がずらっと並ぶ。
エルンストの作品が色も鮮やかだし、ぐぐっと目に飛び込んでくる。
デルヴォーも1枚。不思議な世界。
ミロの後期の作品があったが、かなり微妙。ブロンズ像はよかったけれど・・・
シュルレアリスムが体系的にわかってよかったです。
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