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2011/05/01

【フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展】

art-12 【フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展】 Bunkamuraザ・ミュージアム
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29日、お昼ご飯をはさんで、午後は【フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展】へ。
すべてシュテーデル美術館所蔵の作品。
シュテーデルってどこ?と思ったら、フランクフルトの、ヨーロッパ屈指のフランドル絵画コレクションを有する美術館で、今回改装で休館するにあたり、まとめて貸し出していただいたとのこと。いい機会ですね。

歴史画と寓意画
ブリューゲル(父及び子)、テニールス、ルーベンス、レンブラント、ヤン・ステーンなど。
ヤン・ブリューゲルの「楽園でのエヴァの創造」は、一見普通の風景画のように思えるけれど、奥には神がアダムの肋骨からエヴァを創り出す場面、手前にはライオンや鳥などが描かれていて、不思議な雰囲気。
このパートは神話の知識が不可欠だが、これは諺だったんですね。「ネズミのダンス」。かわいらしくて気に入った絵だが(絵葉書買えばよかったな)、(猫が家の外にいるとネズミが机の上でダンスを踊る)という諺を表したものだそう。

肖像画
レンブラント、フランス・ハルスなど。
ハルスの対になっている作品「男の肖像」と「女の肖像」がいい。作風が微妙に違う一対だが、細部は細かく描かれている。
カーレル・スラバールトの「髑髏と自画像」はなんとなくヒエロニムスを連想させる。
コルネリス・デ・フォスの「画家の娘、シュザンヌの肖像」はちょっと怖い。

風俗画と室内画
いよいよフェルメール登場!
「地理学者」に描かれている窓が再現されており、映像による解説がされたあと、いよいよ絵が・・・
フェルメールの作品の中で男性単身像はこれと「天文学者」のみ(こちらはルーヴルにあるので、今年の夏見てきます)。細部を細かく見るとおもしろい。よく描かれていると思うが、ゴブラン織りだけはちょっと粗いかなあ。
その他は、ヤン・ステーン、テニールスなど。
風俗画はじっくり見ると楽しいもの。
なんとなく気に入ったのは、ヘラルト・テル・ボルヒの「ワイングラスを持つ婦人」。
ヤン・ステーンの「宿屋のお客と女中」は低俗的なテーマ。なんでも、描かれた光のないランタンは知性がないことを暗示しているらしい。
エーリンハの「画家と読みものをする女性、掃除をする召使のいる室内」は構図がとってもおもしろい。
ブラウエルの「足の手術」「背中の手術」「苦い飲み物」、いずれもリアル。

静物画
このパートで知っていた画家は、ヤン・ブリューゲルのみ。
この当時の静物画も細部までじっくり見るとおもしろい。
花の絵には、蝶、芋虫、甲虫などが描かれていてそれを見つけるのが楽しみだ。
狩猟も一つのテーマで、仕留められた獲物が生々しく描かれている。

地誌と風景画
ヤン・ブリューゲル、ロイスダールなど。
あれ、ブリューゲルの作品かな?と思ったのがルーカス・ファン・ファルケンボルヒの「凍ったスヘルデ川とアントワープの景観」。小さく描きこまれた人物がなんとなくブリューゲル的。
モノクロに近い色合いのヤン・ファン・ホイエン。褐色が全面を支配して、なんとなく黄昏ているような。ふーん、こんな風景画もあるんですね。
大好きなロイスダールが6つも見られたのは収穫。空の描きこみにも注目したい。
懐かしく見たのはヘンドリク・ファン・フリートの「デルフトの旧教会の内部」。うんうん、こんなでしたね、内部は。

フェルメールの「地理学者」に惹かれて行った展覧会だったが、他のフランドル絵画もとてもよかったので是非とも!
5月22日まで。

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コメント

 来週フェルメールを見に行く予定なので参考になりました。ありがとうございます。ところで府中の森美術館にはいきましたか?若沖(にすいに変換できませんでした)、仙崖など見応えがありました。

おぐさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
府中の美術館は車で行けばすぐなのですが、残念!明日までなんですね、この展覧会。若冲、蕭白は好きですし、仙崖も昨年出光美術館での展覧会がとてもよかったのですが・・・
フェルメールは、地理学者が見られたのも収穫でしたが、他の絵画もよかったので、おすすめです。

 Bunkamura行ってきました。平日だったのでゆっくり見ることができました。月並みですがレンブラント良かったです。その他ですがvanitasも美しいと思いました。

おぐさん、こんばんば。再びのコメントありがとうございます。
平日はそれほど混んでいなかったのですね。土曜日は見るの大変でした・・・
レンブラント、光と闇のコントラストがいいですね。とっても渋い展覧会ですが、西洋美術館でやってる展覧会もよかったです。
vanitasはウィルベークの作品でしょうか。象徴的な作品ですね。

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