「英国王のスピーチ」
本日の映画
movie-18 「英国王のスピーチ」 The King's Speech 2010年米
DIR:トム・フーパー
CAST:コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーター、ガイ・ピアース、ティモシー・スポール、デレク・ジャコビー、ジェニファー・イーリー、マイケル・ガンボン
STORY:英国王ジョージ5世の次男ヨーク公は幼い頃から吃音に悩んでいた。何人も医者に診てもらうが一向に治らない。妻エリザベスが最後に頼ったのは、オーストラリア人のライオネル。父王の死後即位した兄エドワード8世が、王室が認めない女性との愛を貫き退位してしまったことから、突如王とならざるをえず、恐怖のあまり泣き崩れる・・・
☆☆☆☆☆本年アカデミー賞主要4部門に輝く作品。
先月行くつもりだったのが、地震などでようやく見に行くことが出来た。
細部は違うものの、実話がベース。イギリス王室って意外と懐が深いですね。こんな話もドラマになってしまうとは。
実は、ジョージ6世のことはあまり知らなかったんである。
王冠を賭けた恋で有名なエドワード8世と現エリザベス女王にはさまれ地味なイメージがあったのだが、第二次世界大戦時に国民を勇気づけ「善良王」と呼ばれたらしい。長生きした妃、エリザベス(王太后)の方はよく知っていたんですが・・・
この映画のテーマはいくつかある。
内気で癇癪持ちの王が吃音を克服しついには国民を感動させるスピーチができるまでの努力、吃音を治す手助けをする風変わりなライオネルとの友情、やさしく夫を支える王妃との愛・・・
王室という要素をとりのぞけば、普遍的なテーマばかりなのだけど、淡々とエピソードを積み重ねることによって、じわじわと感動が沸いてくる。
心ならずも王となってしまい心の弱さを王妃にさらけ出す場面、一度は仲違いしたライオネルとの友情を取り戻す場面、開戦にあたっての国民向けのスピーチの場面と徐々に感動が高まって涙、涙であった(スピーチが成功するかハラハラドキドキだったが)。
トム・フーパーの演出(アカデミー監督賞受賞)は正攻法でまっすぐすぎるので、おもしろみはないけれど、この物語には少し単調にも思われる演出がよかったのではないかと思う。派手さはないが堅実である。
そして、やはり役者がいいんですね。
王の性格を完璧に演じきったC・ファースが素晴らしいのは当然として、最近ではシュールな役柄が定着しているH・ボナム=カーターも久々に正統派の演技を披露しているし、それにやっぱりどんな役を演じてもうまいな、J・ラッシュ。
この3人を見ているだけでも見応えがあるが、脇もそろっていて、やっぱり映画は役者だよね、と思う。
いい映画でした。
※次回更新は6日となる予定です。
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