【パウル・クレー展】
art-15 【パウル・クレー展】 東京国立近代美術館
近代美術館ではじまったばかりのパウル・クレー(おわらないアトリエ)展へ。
クレーのあの色彩は好きで、おととしスイスに旅行に行った際も、ベルン郊外のパウル・クレーセンターを訪れてみた。
が、仕方のないことではあるが、見られたのはコレクションのほんの一部でちょっと残念な思い。
そこで、見たことのない作品が見られるかも、ということで行ってみた次第。
行ってみると、おもしろい構成の展覧会だった。
自画像
序章は自画像のコレクション。結構デフォルメされた自画像たちである。
現在/進行形-アトリエの中の作品たち
クレーは生涯に5つの場所にアトリエを構えたという。ミュンヘン、ヴァイマール、デッサウ、デュッセルドルフ、ベルン。
どのアトリエにも自分の作品をたくさんかけられていたそうで、ここではそのアトリエの写真とかけられていた作品が紹介される。
いかにもクレーらしい作品が並んでいるが、チケットにもなっている「花ひらいて」の色がいい。この作品に似た「花ひらく木」は近代美術館にあったんですね。同じく近代美術館所蔵の「山への衝動」は、登山電車を描いた線がユーモラス。
それにしても、アトリエにはぎっしりしすぎるほどにたくさんの作品が・・・
プロセス1:写して/塗って/写して-油彩転写の作品
これ以降、クレーの技法に焦点をあて、具体的な制作過程を明らかにしていこうという展示となる。
クレーが編み出した技法、油彩転写。
素描を黒い油絵の具を塗った紙の上に置いて、針でなぞって転写、水彩で色をつける技法。
まるで、版画のように見えておもしろい。
プロセス2:切って/回して/貼って-切断・再構成の作品
うーん、このパートの作品は正直よくわからなかった・・・
1つの作品を切って、上下や左右入れ替えるというものなのだが、確かに元の作品とは違った印象になるものの、それ以上の感想は出てこないというか・・・
プロセス3:切って/分けて/貼って-切断・分離の作品
分断した絵がそれぞれ独立した作品になった例だそうである。こちらの方が2よりわかりますね。
おもしろいことに、切断された1つ1つがしっかり独立していて、それぞれが別の作品になっているのだ。
プロセス4:おもて/うら/おもて-両面の作品
クレーのたくさんの作品の裏面に、何かが描かれているという。
表と裏の関連性が今ひとつわからないものも多いが、何らかの意図が感じられるものもあり。
過去/進行形-特別クラスの作品たち
クレーは、特別クラスというカテゴリーをもうけ、このクラスの作品たちは売らずに手元に残したという。
試金石的な作品あるいは模範的作品と考えた作品群とのことだが、画家のお気に入りの作品だったのだろうか、なかなかいい作品がそろっている。
あまりクレー的ではない作品もあるにはあるが、いかにもクレー的な作品もたくさんあって充実。
中でも一番気に入ったのは「プルンのモザイク」。実に細かい作品である。
少しマニアックな展覧会ではあるが、クレーファンの方は是非!
蛇足
科学技術館でやっていたキャピック展にも寄り、以前から買いたいと思っていた府中刑務所のパンを運良くゲット!
昔懐かしい味わいのパンでした。
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