「ブラック・スワン」
本日の映画
movie-23 「ブラック・スワン」 Black Swan 2010年米
DIR:ダーレン・アロノフスキー
CAST:ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス、バーバラ・ハーシー、ウィノナ・ライダー
STORY:ニューヨークのバレエ団に所属するニナ。日々厳しいレッスンに励む彼女はついに、プリマの引退を受けて白鳥の湖の主役に抜擢される。優等生の彼女は白鳥は完璧だが、奔放な黒鳥の踊りが出来ず悩む・・・
☆☆☆☆N・ポートマンのアカデミー主演女優賞受賞作。
ともかく、N・ポートマンの演技のすごさに尽きる映画だ。
アカデミー賞も納得である。
「レオン」で子役デビュー、「スター・ウォーズ」のアミダラ姫に抜擢され、「クローサー」でアカデミー助演女優賞候補になり・・・
でもまだまだこの時は無理している感じがあったけれど、「ブーリン家の姉妹」で予想とは逆の役柄を演じてみて、とうとう主演女優賞を受賞するに至った。
順調にキャリアをのばしてきたかに見えるポートマンだが、どうしても優等生的イメージから脱却できずにそれなりに苦労があったのではないかと思う。ハーバード大卒というのもあるのか、知的でちょっと堅苦しいイメージだったが、この映画では彼女としてはかなり大胆な役柄。「クローサー」(この時はストリッパーの役)では背伸び感があったが、ついにそういったイメージから離れることに成功したと言える。
最初から緊張感があるのだが、ずっとその緊張感は持続する。ここまで緊張を強いる映画はなかなかないですね。だいたい、どこかにホッとする場面があるものだが、この映画ではそれがないのである。
ニナは、自分が叶えられなかった夢を娘に託し娘を抑圧する母親、厳しい芸術監督、あこがれていた先輩の没落、若く奔放で大胆なバレリーナに役をとられないかという恐怖などから、次第に追いつめられていく。ニナのプレッシャーがこちらにも伝わってくるようで、恐ろしい。追いつめられる姿、鬼気迫るものがある。
現実と妄想との境が次第になくなっていくニナだが、見ているこちらも、どれが現実でどれがそうでないのかわからなくなっていく。
ずっとずっと重苦しさが続くだけに、一種解放感のある(ニナもきっと解放されたのだろう)ラスト。ある意味ホッとするというか。
出ずっぱりのナタリー、凄いのだが、他のキャストも素晴らしい。
お久しぶりのB・ハーシー。娘を追いつめる一因となる母親役、怖い。
そして、監督役のV・カッセル。相変わらずワイルド。
新人バレリーナ役のM・クニス。どこで見たのかなと思い起こしてみたら、「ウォーカー」に出てたんでしたね。はすっぱな感じがいい。この人、のびるかも。
落ち目のバレリーナ役はなんと、W・ライダー。現実の姿を彷彿とさせて痛々しかった・・・
というわけで、キャストは大成功だったと思う。
いやしかし、やっぱりナタリーのための映画といえますね。
圧倒されました。
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