【ルオー風景展】
art-16 【ルオー風景展】 汐留ミュージアム
昨日、パナソニック電工汐留ミュージアムへ行って参りました。
この美術館、初めて行ったのだがとてもきれい。決して大きくはないけれど、値段も良心的だし(今回、500円)、なかなかいいのではないだろうか。
第Ⅰ章 巨匠に倣いて-古典主義的風景画
ルオーは、ギュスターブ・モローのお弟子さんだったそう。
ごく初期の頃の風景画は確かにその影響が感じられる。細く繊細な線で描かれているのだ。
第Ⅱ章 生きた芸術へ-自然・田園
ルオーは案外いろいろな場所に行っているのだが、1つの原点として、子供の頃に訪れたブルターニュの風景があったらしい。
そのものの題名の絵もあるのだが、少々線は太くなっているものの、まだルオー的ではない。
一時期住んだというヴェルサイユの絵もいろいろ。少々デフォルメしているものの、まだまだフツーの風景画だ。
純然たる風景画をルオーが描いていたというのが驚きだ。ルオーというと宗教画や道化師というイメージが強いので・・・
第Ⅲ章 古びた町外れ-パリの郊外
ルオーはパリの下町、それもスラムの生まれだったそうで、そうした絵も多い。
全体的に色調は暗くて、寂しい。ルオーの絵は、特に後期はあざやかな色彩に彩られていながら、どこか暗さもあるのはこんな出自を引きずっていたのかもしれない。
第Ⅳ章 「伝説的風景」へ-版画集『ユピュおやじの再生』から『受難』まで
版画集の『ユピュおやじの再生』、『ミセレーレ』、『伝説的風景』、『受難』。
はじめはモノクロで、ミセレーレなどは題材も題材なので、暗い。
そしてこの頃から、普通の風景画から、宗教画的な風景画へと変化していく。さらに、『受難』の頃には徐々にカラフルになっていく。
第Ⅴ章 歓喜のヴィジョン-聖書風景
晩年のルオーの風景画は、聖書風景で、どこを描いたということのない風景になっている。
色彩も鮮やかで、どこか突き抜けた感がある。ある種安らぎを感じる。
ルオーの王国
最後のパートは常設展示。
いかにもというルオーの絵が並ぶ。道化師、聖顔・・・
出光美術館もたくさんルオーの作品を持っているが、この美術館のコレクションもなかなか。
そして、風景という視点で構成したところがとてもおもしろかったです。
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