【五百羅漢展】
art-17 【五百羅漢展】 江戸東京博物館

幕末の絵師、狩野一信の描いた五百羅漢図の展覧会に行って参りました。
狩野一信という名前、実ははじめて聞く名前。
10年間で一気に羅漢図を100幅を描き(実際は4幅を残して病没)、増上寺に奉納されたというが、今ではすっかり忘れられていた絵師。
今回、100幅をすべて公開するという画期的な企画。これは行かねば!
1~10 羅漢の日常の暮らしぶりを表す場面
はじめは、ほのぼのとした場面の絵から。
ユーモラスな画が続く。結構細かいところまで描きこまれていて、じっくり見ていると時間がかかる。
11~20 自ら懺悔し、出家者や異教徒を教化する場面
羅漢たちが論議する場面や、教化する場面の絵など。
論議の場面は迫力あり。異教徒の教化する場面は、背景が南国的でちょっとエキゾチック。羅漢たちだけでなく、背景をじっくり見るとおもしろい。
21~40 生前の罪により巡る地獄など六道から救済する場面
人間が死後行くことになる6つの道の光景が生々しく描かれる。この展覧会のハイライトともいうべきパート。
地獄、、鬼趣、畜生、修羅、人、天。
特に、地獄、鬼趣の画がすさまじい迫力。
41~50 12の衣食住に関する欲を取り除く修行の場面
この10幅では、それまでとは違う作風になっていた。西洋絵画の技法をとりいれようとした結果らしい。
次のパートではまたもとの画風に戻っているので、実験的な試みだったのかも。
51~60 神通力を発揮する場面
羅漢の神通力ってすごいですね~
ぷっと笑ってしまうような場面もいくつか。かと思えば首吊り死体などはあまりに生々しい。
61~70 禽獣たちを手なづける場面
六道の画などからするとほっとできる画。
実在する動物から想像上の生き物まで、細かく描きこまれた獣の数々をじっくり見ているときりがない。
71~74 竜宮に招かれ、供養を受ける場面
不思議な4幅。なぜ、このテーマの画を描いたんでしょうね。
海の生物もなんかユーモラスで楽しい。
75~80 仏像や舎利を洗い、寺院を建立する場面
羅漢たちが、寺院建立のため、せっせと働く場面を描く。
図面をひく場面、ほぞの加工をする場面・・・
実際に建立場面を見たのか、あるいは大工仕事に詳しかったのか・・・
81~90 さまざまな天災、人災からの救済を表す場面
一信は安政の大地震で被災したという。
そんな経験を投影した地震の画も。なんか、東日本大震災のことを考えてしまいますね。
地獄などの画に続いて、一信の本領が発揮される題材なのだが、残念ながら、すでに体調を崩していたのか、描きこみが少なくなっている。21~40幅を創作した脂の乗り切った時だったら、もっともっと迫力のある絵になっていたに違いない。
91~100 須弥山のまわりにある4つの大陸を巡る場面
一信がなくなってから完成された作品は97~100なのだが、90以降はあきらかに衰えが感じられる。残念。
とにかく濃い展覧会。おなかいっぱいになります。
いやでもおもしろい!
是非一つ一つじっくり見てください。
« 雨宮塔子『パリごはんduex』 | トップページ | オリオン サザンスター »
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 【小林徳三郎展】(2026.01.18)
- 【小出楢重 新しき油絵展】(2026.01.11)
- 国立西洋美術館 初展示&新収蔵作品(2026.01.05)
- 【デューラー「三大書物」の木版画展】(2026.01.04)
- 【オルセー美術館所蔵 印象派 室内をめぐる物語展】(2026.01.03)


コメント