【モーリス・ドニ-いのちの輝き、子どものいる風景展】
art-22 【モーリス・ドニ-いのちの輝き、子どものいる風景展】 損保ジャパン東郷青児美術館
ナビ派のモーリス・ドニ。
特に大ファンというわけではなかったのだけど、この夏パリに行った際、郊外のサンジェルマン・アン・レーのモーリス・ドニ美術館に行ってなかなかよかったので、これは是非見たいと楽しみにしていた展覧会。
たまたま新宿に出る用事があったので、夕方閉館間際に行って参りました。
ドニというと、聖書や神話を題材にとった作品というイメージだが、今回は家族、子供たちを題材にとった作品で構成した展覧会。
序章:若き日のモーリス・ドニ
画家になりたての頃の絵たち。
いわゆるドニ風の絵もあるけれど、まだまだ作風は定まってない感じ。べたーっとした感じはもうありますけどね。
第1部:くつろぎのなかで
はじめの子供、ジャン=ポールはわずか4ヶ月で亡くなってしまっているが(「ジャン=ポールの死」という絵は痛々しい)、その後8人の子に恵まれたドニ。
どの絵もやさしくて、自然と笑みがこぼれる絵ばかり。色も暖かいんですね。
しかし、子供たちの乳歯をネックレスにするというのは・・・
「バラを持つマルト」にはそのネックレスをしたマルト(はじめの奥さん)が描かれる。
第2部:子どもの生活
長男が夭折、その後4人の女の子が生まれ、待望の男の子が生まれた時ドニは大喜びしたそうだが、どの子もかわいがったんだろうなあ。子供たちの絵がどれもかわいいのである。くりくりっとした目、ぽちゃっとした顔・・・
今は美術館になっているサンジェルマン・アン・レーの邸宅(プリウレ・・・修道院だったところを家にした)も描かれていて、懐かしい。
第3部:家族の肖像
最初の妻、マルトは亡くなるまでドニの絵のインスピレーションの源だったといってもいい。再婚したエリザベツも描かれてはいるが、圧倒的にマルトが多くて印象に残る。写真や映像を見ると絵に描かれた通りだったのだなと(とっても似ている!)。
そのマルタを中心にすえた「ブルターニュの供物(食前の祈り)」がすばらしい。ブルターニュの別荘の壁面画だったそうだが、マルトをモデルとして聖母を中心に、自身の4人の娘たちが様々な供物を捧げ持つ構図。食堂にふさわしい壁面画といえる。
第4部:象徴としての子ども
ドニは家族を登場させた宗教画もたくさん描いていて、最終章ではこうした作品が展示されていた。
なるほど、マリアはマルトだな、イエスはジャン=ドミニクかな?と思ったり。そこが普通の宗教画と違った感じでおもしろい。
というわけで、今までにないドニの絵を見たなあ。ますますドニに興味がわいてきた。
なかなかいい展覧会なので是非!
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