【あこがれのヴェネチアン・グラス展】
art-25 【あこがれのヴェネチアン・グラス展】 サントリー美術館
先日、江戸東京博物館の【ヴェネツィア展】に行き、そうだ!グラス展も行こうと思い立って、半日休みをとって行って参りました。
正確には【コーニング・ガラス美術館特別出品 あこがれのヴェネチアン・グラス-時を超え、海を越えて展】。【ヴェネツィア展】の半券を持って行くと100円引きになる。
平日だし、すいてるかなあと思ったのだが、結構人がいてびっくり。
Ⅰ.ヴェネチアン興隆:技術の応酬
はじめに登場するのは、サントリー美術館蔵の船形水差。とても細かい細工で美しい。一気にガラスの世界へと誘い込まれる。
ヴェネチアン・グラスというと、おみやげ品によくあるカラフルなものとかトンボ玉みたいなものを連想してしまうのだが、はじめはそう色が派手なものはない。
技法は色々とあって、ダイヤモンド彫り、エナメル装飾、レースグラス、アイスグラス・・・
高温のガラスを瞬間水で冷やし、氷のように見せるアイスグラスもきれいなのだが、やっぱりレースグラスがいいですね。ホントにレース編みのようで、気品が感じられる。細かいなあ。
Ⅱ.流出したヴェネチアン:「ヴェネチア様式」の誕生
ヴェネチアは技術の流出をおそれ、グラス職人を強制的にムラーノ島へ移住させ、島外に逃げようとする者を厳しく罰したという。
そうはいっても、徐々に流出するわけで・・・
次第にヨーロッパ全体にヴェネチア様式が広まっていく。
オランダ、ドイツ、スペイン、イギリスなどの作品が並ぶ。ヴェネチアン・グラスをさらに発展させたような作品で、形や装飾、色遣いなど、やはり各国によって特徴があるものだ。
シンプルな美しさが感じられるイギリスのゴブレットが中でも気に入った。
Ⅲ.ヴェネチアンと和ガラス
ヴェネチアン・グラスと日本との関わりを紹介するコーナー。
意外な場所でヴェネチアン・グラスが出土されていることに驚く。
ぎやまん彫りというのは、日本におけるダイヤモンドポイント彫りだったんですね。細工がとっても細かい!本家よりも細かいかも・・・
イギリス風のツイストステム・ゴブレットや、マーブル模様などもあり、いろいろな影響が感じられる。
Ⅳ.ヴェネチアン再興:19世紀イタリア
技術の流出や、ヴェネチアの崩壊により、いったんは下火になってしまったヴェネチアン・グラスも19世紀になって復興。
昔の技術を踏襲しつつも、ちょっと違った作品たちが並ぶ。
興隆期と現代をつなぐ時代である。
Ⅴ.今に息づくヴェネチアン:現代アートへの影響
最後のコーナーは、現代の作品。
20世紀に入ると自由な発想で創られた作品が並んでいる。
派手な色遣いなもの、形のおもしろいもの・・・
中には大胆すぎるのでは?というものもあり、個人的には、やっぱり古風な方がいいなあとは思うが、楽しい作品は歓迎。
日本の作家の作品もあったが、江波冨士子さんの作品が気に入った。「雨のち虹」という作品はたくさんの小さなグラスが並んでいるのだが、1つ1つ色が違っていてグラデーション(虹のような)がきれい。
ヴェネチアン・グラスが好きな方は是非!
10月10日までです。
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