【トゥールーズ=ロートレック展】
art-30 【トゥールーズ=ロートレック展】 三菱一号館美術館
ちょっとまだ風邪気味ではあったけれど、今日行かないともう行く機会がなさそうなのでえいやとお出かけ。三菱一号館美術館のトゥールーズ=ロートレック展である。
第1章 トゥールーズ=ロートレック家の故郷・南西フランスと画家揺籃の地アルビ
ロートレックは南西フランスのアルビの貴族の家の生まれ。
この故郷アルビの描いた唯一の風景画「アルビのカステルヴィエル陸橋」からスタート。
そもそもロートレックは風景画はあまり描いていないし、これは貴重。
その他、素描も含め、若さを感じる初々しい絵が並ぶ。
第2章 世紀末パリとモンマルトルの前衛芸術
いよいよロートレックはモンマルトルに住むようになり、キャバレー、ダンスホールなど夜の世界を描くようになる。ポスター「ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ」で一気に有名になったロートレックは、次々と作品を発表する。ロートレックのもっとも脂ののった時期の作品の数々。
劇場やキャバレー通いで気に入った踊り子や俳優、歌手などを次々と描いていったロートレック。頼まれて創ったポスター等もあったようだが、どれも鮮やかな色彩と大胆な構図で、パッと眼をひく作品ばかり。とともに、デフォルメ(しすぎ?)された作品も多く、これはロートレックの冷静な観察眼なのか、ちょっぴりいじわるな心も投影されているのか・・・おもしろいけれど、これじゃあ怒ったモデルもいたでしょうねぇ。でもみな生き生きとした表情だ。
アリスティド・ビリュアンのポスターが気に入った。
第3章 芸術家の人生
ロートレックは、ポスターの仕事からはじまり、雑誌の表紙絵、芝居のパンフレット、企業の広告などにも広がっていく。
自転車チェーンの会社のポスター、これはなかなかいい。
ロートレックというと、あまり動物のイメージはなかったけれど、幼い頃からよく描いていたようで、お気に入りの題材だったらしい。ルナールの「博物誌」に挿絵をつけた版画集、かわいいなあ。これ、ホントにロートレック?と思ってしまうが、ユーモアを忘れないところはやはりそうか。ショップに売っていたこの柄のポチ袋とメモ?だと思うが、ちょっと欲しかった・・・
一方、ロートレックは、娼婦たちと生活をともにしながら、彼女たちをモデルとした作品をたくさん残している。退廃的な雰囲気をある中で暖かい視線も感じられる作品が多い。
最後の方にいくつか展示されていたメニューカードがまた趣があっていいんですね。こんなメニューカードがあったらうれしいなあ。
この展覧会は、この美術館がオープン前に一括して購入したロートレック作品を公開するもの(プラス、アルビのロートレック美術館の作品もきてます)。
ロートレックの死後、彼の友人だったジョワイヤンに引き継がれたコレクションをまとめて購入したそうで、ロートレックのアトリエにあったものだけに、非常に保存状態がいいものが多いとのことなので、是非!
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