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2011/11/26

【アルプスの画家セガンティーニ -光と山-展】

art-31 【アルプスの画家セガンティーニ -光と山-展】 損保ジャパン東郷青児美術館

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三菱一号館美術館のトゥールーズ=ロートレック展を見て、昼食をはさんで移動、初日のセガンティーニ展を観て参りました。

そもそも4月に開催予定だった展覧会だが、震災の影響で中止となってがっかりしてたのだが、結局短い会期ではあるが、無事東京でも見られることになったもの。

Ⅰ.ミラノとブリアンツァ:初期
セガンティーニというと、アルプス、サンモリッツということで、スイスの人だと思いこんでいたのだが、イタリアの生まれ。
幼い頃に母を亡くし、父親とも別れて、非常に不幸な子供時代を送ったセガンティーニだが、絵との出会いによって将来が開けることとなる。
初期の作品は、アルプスに移ってからとは別人の絵のようで、色調は重く暗い。農村を描いた絵が多いこともあってか、ミレーを連想させる。
古風な作風の作品だが、「白いガチョウ」などは迫力がある。

Ⅱ.肖像画
セガンティーニに肖像画のイメージはあまりないが、確かな筆致を感じさせる。

Ⅲ.サヴォニン:山岳の光 1886年
セガンティーニはスイスに移住。
ここからがまさにセガンティーニ!次々と傑作を生み出す。
分割技法という独特の技法で描かれる風景画。点描ではなくて線の重なりで描いた絵。この技法で光がまぶしいほどの絵が完成する。毛糸で編んだ絵のようにも見える。
どれもいいのだが、やはり2枚の「アルプスの真昼」だろうか。一枚はサン・モリッツのセガンティーニ美術館にあるもの、もう1枚は大原美術館にあるもの。この2枚が同時に見られるとは幸せ。何度も何度も見比べてどちらが好きかなあと考えたが、結論は出ず。どちらもすばらしい。
もう一枚気に入ったのは、日陰でうつぶせになってうたた寝している女性を描いた「日陰の憩い」。この絵もモデルは同じですね。

Ⅳ.マロヤ:アルプスの象徴主義
さらに高地へと移り住んだセガンティーニ。
単なる風景画から生と死や母性などをテーマとした絵画へと変化していく。考えさせる絵が並ぶ。
そして、最終的にはアルプス三部作・・・生-自然-死へといきつく。セガンティーニ美術館から決して出ることのない絵なので、今回きているのは習作だけだが、セガンティーニの力の入れようはすごい。これ、是非現地でみてみたいなあ。前回スイスに行った際には、サンモリッツが遠く離れているので行くのを断念したのだが今度は行ってみよう。

Ⅴ.自画像
4点の自画像が並ぶ。
個性はいろいろだが、二十代半ばの自画像が怖い。一番似てるなと思ったのは、三十代半ばに描かれた自画像だ。

Ⅵ.シャーフベルクでの死、マロヤでの埋葬
アルプス三部作の自然を制作中にシャーフベルクで突然の病に倒れ亡くなったセガンティーニ。
あまりに早い死である。
弟子のジャコメッティが描いた死の床のセガンティーニ2作も印象的だが、セガンティーニが構図を確定しジャコメッティが完成させた「ふたりの母たち」は静かな作品でラストを飾るにふさわしい作品だった。

会期が短いので是非お見逃しなく!

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