ピーター・トレメイン『修道女フィデルマの叡智』
本日の本
book-54 『修道女フィデルマの叡智』 ピーター・トレメイン著 創元推理文庫
STORY:巡礼で訪れたローマの教会でワインに口をつけた若者が急死。他全5編。法廷弁護士にして裁判官の資格を持つ修道女フィデルマを探偵役とした短編集。
☆☆☆修道女フィデルマシリーズ。
長編がこれ以前に2作翻訳されているこのシリーズだが、古い時代が舞台のミステリはあまり読まないので、短編の方がとっつきやすいかなと思い、まずはこちらを読んでみた。
7世紀!のアイルランドが舞台。
王位継承者の妹で、法廷弁護士、時として裁判官をつとめることができる資格を持つ、若く美しい修道女が主人公。
って、できすぎな設定なのだが、全然嫌みがないのがよろしい。
宗教が重要な要素となり、またこの時代のこの国の慣習など、わかりにくい部分も多いのだが、巻末に註がついているので助かる。
探偵の手法としては古風で、関係者の話を聞き、矛盾点や不審な言動から推理、犯人を割り出すというもの。
短い中にも、ミスリードあり、どんでん返しもあり、本格的なミステリーが楽しめる。
主人公フィデルマが完璧すぎるのが気になるが(笑)、この雰囲気は気に入った。
もう一冊の短編も読んでみよう。
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