アン・クリーヴス『野兎を悼む春』
本日の本
book-2 『野兎を悼む春』 アン・クリーヴス著 創元推理文庫
STORY:シェットランド署のサンディ刑事は帰省先で祖母の遺体を発見してしまう。兎を狙った流れ弾に当たった事故を思われたが、さらに第二の事件が発生して・・・
☆☆☆シェットランド四重奏第三章。
冬、夏、ときて春。
今回、探偵役のペレス警部の恋人、フランはロンドンに行ってしまっていて、最後の方しか出てこない。
警部は、ついついいないフランのことを想ってしまうのだけど、主人公の一人とも言うべき人物がいないかわりに、大きな存在となるのが、今までドジを踏んでばかりだった警部の部下、サンディ刑事だ。
祖母が亡くなり、事件を掘り下げるうちに、自分の家族への疑念がわいてくるサンディ。
その他、数々の試練をくぐり抜けるうち、サンディは成長していく。サンディの成長物語としても読める作品だ。次作でも活躍するだろうか・・・
ペレス警部は一歩ひいて事件を見渡すが、いざという時には頼りになる。
ペレス警部、とってもいい人なんですね~
探偵というと、どうもクセがあったり、変人だったり、性格悪かったりすることもあるのだが、警部はどこまでもいい人。すっかりファンになりましたね。
あと1作でおしまいと思うと悲しい・・・
かなりの長尺なのだが、描き込みがしっかりしているので、サクサクと読み進められる。非常に狭い範囲での出来事なので、息がつまりそうではあるが。
そして、結末は・・・
やられたな~
すっかりだまされた。なるほどね。
次作、早く翻訳されないかなあ。
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